研究課題/領域番号 |
21K06441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
姜 英男 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 招へい教授 (50177755)
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研究分担者 |
八十島 安伸 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (00273566)
齋藤 充 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50347770)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 青斑核 / α2A アドレナリン受容体 / 自己抑制 / 受容体内在化 / MAO-A / AEP / スパイク順応 / 三叉神経中脳路核 / NT-3 / TrkC |
研究開始時の研究の概要 |
閉口筋の筋紡錘の活動に伴い、MTN細胞にNT-3が蓄積されると、活動依存的にNT-3が傍分泌され、LC細胞の軸索終末のTrkC 受容体に結合して、endosomeとしてLC細胞体まで逆輸送されるかどうかを免疫組織化学的に調べる. LC細胞の過興奮に伴って観察される自己抑制のrundownがGIRKと共役するα2Aアドレナリン受容体の内在化によるかどうかを明らかにする. LC細胞の過興奮により過剰放出されたNAが再回収され、MAO-Aによる分解からNDOPEGALが過剰産生され、アスパラギンエンドペプチダーゼを活性化し、LC細胞死が引きおこされるかを調べる.また、NT-3がそれを抑制するか調べる.
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研究実績の概要 |
本研究は、アルツハイマー病において最初期に細胞障害が現れる青斑核(LC)細胞と、その細胞死を防御しうる神経栄養因子NT-3を蓄積・傍分泌する可能性がある三叉神経中脳路(MTN)細胞との間の生理・解剖学的及び病理学的相互関係を解明することを目的とする。 一昨年度は、LCニューロンの細胞体からもノルアドレナリン(NA)の旁分泌が活動電位依存性に生じ、LCニューロン細胞膜上のα2Aアドレナリン受容体(AR)を介する自己抑制に起因して、スパイク順応がおこることを明らかにした。昨年度は、こうしたスパイク順応を担うα2A AR-coupled GIRK channel が拘束ストレスにより内在化されることを免疫組織化学的方法により示し、さらに膜分画でのα2A ARタンパク発現が減少していることをwester blotting 法により示した。拘束ストレスを与える代わりに、LC核のスライス標本を用いて、LCニューロンからパッチクランプ記録を行い、positive pulse trainを与えて、細胞内Ca2+濃度を上昇させると、拘束ストレスと同様に、α2A ARcoupled GIRK電流が減少した。この減少はbarbadinを与えると阻害されたことから、リガンドとCa2+依存性にα2A ARの内在化が生じたものと考えられる。スパイク順応の消失に伴う興奮性の上昇の結果、LC細胞内で、MAO-A活性が上昇し、それによりAsparagine endopeptidase (AEP)の活性が免疫組織化学法により上昇することも見出した。今年度はTyrosine hydroxylase(TH), MAO-A, AEP の拘束ストレスによる変化を定量化するため、Western blotをおこなった。さらに、高架式十字迷路テストをおこない、拘束ストレスの影響を行動生理学的にも調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
青斑核細胞で、Asparagine endopeptidase (AEP)の拘束ストレスによる変化の定量化に成功していないため、年度内に実験計画を完了させ、論文を作成することが出来なかった。AEPを定量化して検出するためWestern blot を行ったが、再現性のある結果を得ることが出来なかった。通常、western blot を行うための脳組織サンプルのホモジネートを行う際には、蛋白分解酵素の抑制剤を添加しておこなう。ところが、蛋白分解酵素の一種であるAEPは、蛋白分解酵素抑制剤の添加により、その検出が安定せず、再現性を得るのが難しかった。そのため、やむを得ず、研究期間を1年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、拘束ストレスに伴い増加すると考えられるAEPの定量化をWestern blotで、確実に再現性のある結果を得るため、サンプル脳のホモジネート条件の検討を試行錯誤して行う。特に、蛋白分解酵素抑制剤の添加を最小限にして、western blot を行う。また、そうした結果を補完し、かつ、補強するため、AEPの下流で産生されるタウ蛋白のWestern blot も行う。さらには、Y-迷路試験を用いて、学習記憶能の変化も測定する予定。その上で、論文を完成させる。
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