研究課題/領域番号 |
21K06444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
植田 禎史 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00511015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 体性感覚 / 視床 / シナプス / 臨界期 / 可塑性 / GABA作動性入力 / 視床皮質投射 / 持続性抑制 / ミクログリア / 発達 / GABA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではマウスのヒゲ体性感覚視床のシナプスを対象に、発達期のシナプス形成、感覚入力依存的なシナプス刈込み、およびシナプス改編後のシナプス維持の電気生理・組織形態学的な定量評価とGABA入力またはGABAニューロン成熟機構の操作と組み合わせ、発達期のシナプス改編から維持に至る過程でのGABAニューロン機能及び成熟機構の役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
GABA作動性入力によるシナプス後部ニューロンへの抑制は2種類あり、シナプスに局在するGABA受容体を介した一過性の電流と、シナプス外に局在するGABA受容体を介した持続性の電流を引き起こす。マウス体性感覚視床で、シナプス外GABAA受容体を介した持続性の抑制性電流の振幅は発達期に急激に上昇する。持続性抑制電流が急激に増強される時期は、マウス体性感覚視床で、脳幹に由来する上行性感覚線維とのシナプス結合の可塑的な改編が促進される臨界期と呼ばれる可塑性の非常に高まる時期と一致する。臨界期可塑性はシナプスの刈込みを促進することで、不要なシナプス除去に寄与する。マウス体性感覚視床ではシナプス刈込みを経て、弱い複数の軸索入力によるシナプスが多数形成される多重支配型のシナプス結合から、強い1本の軸索入力による強いシナプス結合が形成される一本型支配へと回路が改編される。そこで、マウス体性感覚視床ニューロンから選択的にシナプス外GABAA受容体サブユニット発現を除去するような遺伝子改変マウスを用いて視床ニューロンから持続性抑制電流をなくした。このマウスは野生型マウスに比べて視床ニューロンへ入力する軸索の数が多く残されていたことから、持続性抑制が除去されたことで発達期のシナプス刈込みの進行が阻害された可能性が示唆された。また、この視床ニューロン選択的にシナプス外GABAA受容体サブユニットを除去したマウスは感覚弁別機能が関係する行動課題の成績も低下したことから、発達期の持続性抑制電流は視床回路が構造的にも機能的にも成熟した回路を構築するために重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的としていた発達期の視床シナプス改編におけるGABA作動性入力の遺伝的操作と、それに伴うシナプス改編の変化を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
論文としての形にまとめるため、研究を継続したい。
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