研究課題/領域番号 |
21K06449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森廣 邦彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70713890)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 銅イオン / siRNA / がん / プロドラッグ / ルシフェラーゼ / 核酸化学 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高濃度の銅(I)イオンに応答したsiRNAの活性化を行うことで、がん選択的なRNAi医薬品としての可能性を世界で初めて示す。本研究が成功すれば、正常細胞への影響を抑制可能な副作用が小さい核酸医薬の開発につながることが期待される。本手法は外部刺激に頼ることがなく、医療現場で用いる際に特別な装置や技術を必要としないため、非常に実用性の高いがん治療薬になり得る。
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研究成果の概要 |
本研究では、がん細胞内に多く蓄積した銅イオンに応答するsiRNAを開発し、がん細胞選択的に特定の遺伝子をノックダウンできるシステムの構築を目指した。まずは銅イオンで選択的に除去できる官能基で保護した人工アミダイトブロックを化学合成し、DNAおよびRNA中に導入した。非培養細胞系で銅イオン応答性を評価した結果、銅イオン選択的に保護基が除去可能なことが分かった。最後に、がん細胞で発現亢進が認められているタンパク質であるCyclin B1のmRNAに対する銅イオン応答性siRNAを合成した。本人工siRNAをがん細胞に導入した結果、銅イオン依存的にCyclin B1のノックダウン効果を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは長年日本人の死因の第一位であり、その効果的な治療法の開発は喫緊の課題である。抗がん剤を用いた化学療法は外科手術および放射線治療に並ぶ重要ながん治療法の1つであるが、正常細胞に対しても毒性を示すため副作用が問題となる。本研究ではがん細胞内に集積しやすい銅イオンに応答して薬効を発現するsiRNAを開発した。本人工siRNAは細胞内の銅イオン濃度に依存してがん関連タンパク質Cyclin B1のmRNAをノックダウンするため、正常細胞にほとんど影響を与えることなくがん治療に用いることが可能である、将来的には担がんマウスモデルを用いたin vivo実験により、抗がんsiRNA医薬として評価する。
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