研究課題/領域番号 |
21K06462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
穴田 仁洋 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (90344473)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ブレンステッド酸触媒 / フルオラスアルコール / 分子内Friedel-Crafts反応 / 分子内環化 / KGP-18 / Alanense A / アルキン / 環化異性化 / Rh(II)カルボキシラート錯体 / スルホンアミド / 含窒素ビルディングブロック / 環化異性化反応 / 二核ロジウム(II)錯体 / 含窒素複素環ビルディングブロック / シクロプロパン / ビルディングブロック / 複素環化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が最近見出した二核ロジウム(II)錯体を用いるN-シクロヘキセニル-N-プロパルギルスルホンアミドの環化異性化反応の条件最適化および基質適用範囲の明確化を行うとともに、本反応で得られる三環性スルホンアミドの位置および立体選択的変換をへるcis-デカヒドロキノリンアルカロイドおよび関連誘導体の合成を行う。
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研究実績の概要 |
触媒的環化異性化反応を鍵反応とする多環式ビルディングブロック構築とその応用についての研究を行い、本年度は下記の成果を得ることができた。 (1) 前年度に見出していた1,5-ジアリール-1-ペンチンの7-endo型分子内環化反応について種々条件を検討した結果、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)を溶媒に用い、p-TsOHを触媒に用いると9-アリールベンゾスベレン誘導体が極めて高い収率で得られることを見いだした。本反応は特段の無水条件または不活性ガス雰囲気下での操作を必要とせず、p-TsOHも水和物を用いることができることが判明した。本法を利用して、強力な細胞毒性を示す天然物コンブレタスタチンA4の安定類縁体であるKGP-18の効率的合成を達成した。 (2) ブレンステッド酸触媒とフルオラスアルコール溶媒を用いた分子内Friedel-Crafts反応は1,4-ジアリール-1-ブタノール誘導体の環化反応にも利用できることを見いだし、本反応を利用してシナウリノキ (Alangium chinense)の葉から単離・構造決定され、シナプスネットワークの自発的カルシウム振動(SCOs)の阻害作用を示すカジナン型セスキテルペノイドであるAlanense Aの初の全合成を達成した。 (3) ブレンステッド酸触媒とフルオラスアルコール溶媒の組合せはトリメチルシリルシアニドを用いたベンジルアルコールの直接的シアノ化にも利用できることを見いだした。現在本反応の条件最適化と適用範囲拡張に向け検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、昨年度の研究で二核ロジウム(II)錯体が適用できなかった1,5-ジアリール-1-ペンチンの7-endo型分子内環化反応について触媒の探索を含めた条件検討を行ったところ、ブレンステッド酸触媒とフルオラスアルコール溶媒を組み合わせることで解決できることを見いだした。本法はカルボカチオン中間体を経由する様々な変換反応において、従来法とは異なり特段の無水条件または不活性ガス雰囲気下での操作を必要しないなど合成上の多くのメリットを持つことを明らかにすることができ、当初の計画以上に研究が進展する原動力となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、二核ロジウム(II)錯体を用いる触媒反応についてもフルオラスアルコール溶媒の適用を検討し、様々な多環式ビルディングブロックの合成に利用していきたい。また、ブレンステッド酸触媒とフルオラスアルコール溶媒を組み合わせる変換反応についてもさらなる適用範囲の拡張と天然物合成への適用を検討していく予定である。
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