研究課題/領域番号 |
21K06472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
王 超 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90610436)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光化学反応 / 励起状態 / 有機ケイ素化学 / 有機ゲルマニウム化学 / 有機ホウ素化学 / 有機硫黄化学 / 反応機構解析 / 計算化学 / 電子移動反応 / ヘテロ元素 / 誘導体化反応 / 機能性分子創製 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「14-16 族元素(第 3 周期以降)」の特性と潜在能力を最大限に引き出し、元素化学、合成化学の新手法・新概念・新理論の確立および新機能の創出を目指します。物理エネルギー(光、電気、機械刺激など)による電子励起状態の積極利用を基盤とし、14-16 族官能基を自在に導入する革新的プロセスの開発を目指し、機能性分子、天然物や医薬品などの合成の最終段階での使用にも耐えうる高選択性誘導体化反応や新たな合成手法を確立することを目標とします。さらに、理論計算と実験化学の協奏により、14-16 族元素の潜在能力を最大限に引き出す分子設計を行い、機能性分子構築・新機能創出に挑みます。
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研究実績の概要 |
1)可視光駆動型14族元素ラジカル種の迅速かつ効率的な発生法の開発 本研究では、シクロヘキサジエン骨格を有するシリル・ゲルミルラジカル前駆体を利用し、可視光による選択的かつ効率的なケイ素―炭素結合やゲルマニウム―炭素結合のホモリティック開裂を実現した。本反応に用いられた14族元素ラジカル前駆体は、簡便な手法で高収率に合成可能であり、様々なシリル・ゲルミルラジカル種の発生に適用できる。本手法で生成した14 族元素ラジカルは、様々な基質との反応が円滑に進行し、温和な条件下で高収率にて有機ケイ素・有機ゲルマニウム化合物を与えた。特に、本反応は短時間の可視光照射によって高い変換効率を示し、14族元素系機能性分子の迅速合成への応用が期待される。
2)アルキンの位置・立体選択的チオホウ素化反応 本研究では、ホウ素化合物の優れた Lewis 酸性を活かし、容易に調製可能なボロン酸チオエステルを用いて、位置・立体選択的チオホウ素化反応を開発した。本反応は、初めての cis-付加する選択性を実現し、trans-体への効率的な幾何異性化する手法も見出した。本手法によって、有機分子に複数のヘテロ元素を「一気に」「自在に」導入することが可能で、多官能基化された機能性分子の合成への応用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、電子励起状態の積極利用を基盤とする14 族元素化学新反応、新手法の創出を目指した研究に取り組んだ。その為に、昨年度は、可視光駆動型14族元素ラジカル種の迅速かつ効率的な発生法を開発した。この結果の一部は、Org. Lett. 誌に掲載された。さらに、ヘテロ元素の潜在能力を引き出す分子設計・反応設計を行い、初めてのアルキンに対する位置・立体選択的チオホウ素化反応を見出した。本研究成果の一部は日本薬学会 第143年会に報告され、優秀発表賞を受賞した。現在は国際誌への投稿論文を作成している。以上により、現在までの研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究は、2022年度に引き続き、励起状態促進型14族元素反応活性種の発生及び導入反応の開発を継続する予定で、13、15、16族元素(ホウ素、リン、硫黄など)の特性を活かした分子変換反応の開発についての研究も展開する。特に、13族元素の 優れた Lewis 酸性や15、16族元素の穏やかな Lewis 塩基性などの特性を利用して、従来のない新規元素化学反応の開発およびヘテロ元素系機能性分子の創製への応用に取り組む。
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