研究課題/領域番号 |
21K06483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山崎 龍 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (90453844)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アミド / フッ素 / 立体構造 / 置換基効果 / アミド結合 / フルオロカーボン |
研究開始時の研究の概要 |
アミド結合は多くの医薬品やペプチドの構造に見られる、医薬化学において大変重要な構造単位であり、その構造制御はアミド結合をもつ医薬品において非常に重要な意義をもつ。しかし、アミド化合物の立体構造制御は未だ未知の領域が多く、達成されたとは言い難い。 本研究では、これまでに自分の合成した置換アミド化合物をもとに、特異な性質をもつフルオロカーボンなどフッ素含有置換基を導入したアミド化合物合成法の開発ならびに立体構造特性を明らかとする。
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研究実績の概要 |
アミド結合は多くの医薬品にみられる構造であり、またペプチドの基本構成単位となっている。そのため、アミド結合の構造特性の理解は、医薬品のデザインやペプチドなどのモダリティーにおける分子設計の基礎的な知見となり得る。近年、フッ素化合物の脂溶性などの特性が注目され、様々なフッ素置換基導入法が報告されている一方で、アミド類縁化合物に関しては合成法も限られ、さらに立体構造特性に関する知見は少ないのが現状である。そこで本研究では、アミド、アミド類縁化合物にフッ素原子を導入した化合物の合成法、反応開発とそれらの構造特性を明らかとすることを目指している。2年目は、初年度に行った反応や構造に関する知見をもとに、新たな化合物の合成法開発と構造解析に取り組んだ。またフッ素原子をもつ化合物の物性に関しての知見について論文報告した。 前年度に近年報告されたフルオロカーボン化の方法により合成したフルオロアルキル化されたアミド化合物の構造特性を解析し、フッ素原子がアミドカルボニル基と反発するという仮説をたてた。本年度はこの化合物群について、一般性の拡張を図った。あわせて計算化学による考察に取り組んでおり、まとまり次第論文で公表する。また、この仮説をもとに別のフルオロアルキル基をアミド窒素原子上に導入した化合物をデザインし、既存の試薬をつかった反応により合成を達成した。その反応の条件検討を行った一方で、得られたフルオロカーボン化されたアミド化合物の安定性が低いことがわかり、不安定性の要因解析と申請者のこれまでの研究の知見より解決策を見出しつつある。また、前年度にフッ素化合物に特有の昇華性をいかして酸と昇華によりアミドのコンフォメーションをスイッチ可能であることを見出したが、成果をまとめて論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果の一部について、論文発表した(二報)。学会でも、関連プロジェクトについて口頭発表を行った。研究自体については概ね順調に進展していているが、一部試薬の入手が困難になっていることもあり、合成法の変更などを余儀なくされている点が今後の進捗における懸念である。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、一部フルオロアルキル化された化合物の安定性に問題があることが判明し、これまで申請者が行ってきた研究の知見により解決策を見出しつつある。安定性の向上ならびに再現性に関して慎重に検証して、成果発表していきたい。また、一部の研究計画において、予定した試薬の入手が困難なケースに見舞われているが、別ルートでの合成を探索する。令和五年度(最終年度)にできるだけ成果をまとめられるよう、スピード感を優先しながらも適切に執行していきたい。
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