研究課題/領域番号 |
21K06488
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
橋爪 秀樹 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 主任研究員 (10311276)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | mode of action / synergy / chloptosin / L-156,602 / 作用機序解析 / 相乗性 / 黄色ブドウ球菌 / 感染症薬 / 動物実験 / MRSA / 新規抗菌薬 / メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / クロプトシン / 相乗的抗菌活性 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は院内感染で問題となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に強い抗菌力を示す化合物を探索した結果、新規クロプトシン類ならびに L-156,602 を同一放線菌の培養液より単離した。この2系統の化合物は、多剤耐性菌に有効であるため既存薬と異なる新しい作用機序を有することが示唆され、また、併用することで強い相乗的抗菌活性を示す。本研究ではクロプトシン類と L-156,602 の単剤での作用機序と相乗性発現機構を解明するとともに、動物モデルにおける安全性および有効性を検討することで、将来の抗菌薬開発研究に資する知見を得ることを目的にしている。
|
研究成果の概要 |
作用機序解析の結果、クロプトシン類およびL-156,602は共に膜作用性化合物であり、クロプトシンはMIC付近では静菌的に作用した一方、L-156,602は短時間で強い殺菌力を示し、相乗性を示すMIC 以下の併用時には遅効的な殺菌力と特異な形態変化が認められた。次に単剤並びに併用時の遺伝子発現変化について検討した結果、細胞分裂に影響を及ぼすことが示唆された。 また2化合物のマウスの致死容量と抗菌活性を比較すると、抗菌活性がより低濃度で発揮されたためマウスの黄色ブドウ球菌全身感染モデルで治療効果が期待されたが、これまで試験した中では治療効果が見られずさらに条件を詰め検討していく予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗生物質は環境中で周囲の微生物との生存競争を有利にするために微生物が生産するものである。本研究では土壌放線菌MM621-AF10 株が2種の相乗性を示す抗菌物質を生産することでより効率良く微生物間の競争に有利に働く機構について解析を進めた。単剤では抗菌力を発揮できない低濃度でも併用することで病原細菌の増殖を抑制することを明らかにした。また、電子顕微鏡観察などから、単剤と併用時では病原細菌に与える影響が異なることを示した。さらに解析を進めることで新しい薬剤標的の開拓につながることが期待された。
|