研究課題/領域番号 |
21K06507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
巴山 忠 福岡大学, 薬学部, 教授 (90549693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ジアシルグリセロール / 液体クロマトグラフィー/質量分析計 / マトリックス効果 / リン脂質 / フルオラスケミストリー / ターゲットリピドミクス / 質量分析 / リピドミクス / 選択的抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、定量の正確性を飛躍的に向上させた脂質分析法(リピドミクス)を開発する。近年のリピドミクス解析の成果により,生体内に存在する脂質類の驚くべき多様性や疾患との関連性などが明らかになりつつある。その一方,多様性が故に脂質分析は容易ではなく,リピドミクス解析分野においては「定量の正確性」という点において学際的研究の余地が十分に残されている。本研究では,独自に開発した抽出技術を用いることによって試料中夾雑成分を選択的に除去することにより,定量の正確性を向上する。先ずは,本法の基礎的条件の確立し,次いで臨床試料のリピドミクス解析を実施して本法の有用性を実証していくこととする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ジアシルグリセロール(DAG)類の正確な測定法の開発を行った。本研究にて開発した方法では、Bligh-Dyer法による脂質抽出液から、フルオラス溶媒抽出によってリン脂質(LCMS測定におけるマトリックス効果の主原因)の選択的除去を行うことができる。本法を血中DAG類の測定に適用したところ、リン脂質は99.9%以上除去されており、マトリックス効果を受けることなく、正確にDAG類の測定を行うことが可能であった。さらに、本法の実用性と有用性をうつ病患者由来の血液試料に適用して検証し、関連疾患におけるDAG類のバイオマーカーとしての利用可能性を示唆する結果が得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジアシルグリセロール類は、種々の疾患との関連が報告されている。しかしながら、生体内には多種多様の脂質類が存在しており(とくにリン脂質の妨害を受けやすいこと)、必ずしも正確な測定を行うことができるとは限らない。そこで本研究では妨害となるリン脂質を選択的に除去することで、ジアシルグリセロール類のLC-MS定量における正確性を担保することとした。実際に、本法をうつ病患者から得られた臨床試料(血液)に適用したところ、その正確な定量値から健常人の有意差を見出すことが可能であった。今後、このような疾患のバイオマーカー測定法として早期診断や治療効果判定などに大きく貢献できることを期待している。
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