研究課題/領域番号 |
21K06509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
東 顕二郎 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (40451760)
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研究分担者 |
植田 圭祐 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (40755972)
森部 久仁一 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (50266350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非晶質 / ナノ粒子 / 吸収性 / 安定性 / 難水溶性薬物 / NMR / cryo-TEM / suspended-state NMR / 運動性 / 界面 / 非晶質ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
難水溶性薬物の経口吸収性を最大化する手法として、薬物ナノ非晶質化が注目されている。しかし、薬物ナノ非晶質が水に分散した薬物ナノ非晶質懸濁液の構造は不明な点が多く、特に界面の構造について分子レベルで検討した報告はほぼ皆無である。本研究では、suspended-state NMR法を中心とした各種応用測定法を用いて、薬物ナノ非晶質懸濁液の界面構造を分子レベルで明らかとする。
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研究成果の概要 |
環状ペプチドであるシクロスポリンA(CyA)と安定化剤であるポロキサマーP407(P407)からなる懸濁液中のCyA非晶質ナノ粒子の構造及び分子状態を各種分析法により評価した。そして、非晶質ナノ粒子と結晶ナノ粒子の固液界面に存在するP407の分子状態の違いをsuspended-state NMRにより評価可能であることを示した。また、非晶質ナノ粒子ではP407は固液界面のみならず粒子内部にも含まれていることを明らかとした。さらに、本非晶質ナノ粒子は非古典的結晶化理論であるoriented attachmentにより結晶ナノ懸濁液に変化することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、薬物非晶質ナノ粒子と薬物結晶ナノ粒子の固液界面に存在する界面活性剤の分子状態の違いをsuspended-state NMRにより評価可能であることを示した。また、本研究で観察されたoriented attachmentは、医薬品を問わず有機化合物で観察された報告は皆無であり、CyAなどの中分子薬物ではナノ非晶質の不安定化が従来の低分子薬物のものとは異なるメカニズムで起きる可能性を見出した。本研究から得られた知見は、薬物の製剤化技術として注目を集めているナノ非晶質懸濁液の処方設計効率化・最適化に向けた有用な指針になると期待される。
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