研究課題/領域番号 |
21K06511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青山 浩 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (60291910)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / 人工核酸 / 核酸医薬 / DNAナノテクノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
人工核酸を利用した核酸医薬やDNAナノテクノロジーの開発には、人工核酸が二重鎖を形成したときの立体構造情報はきわめて重要な知見となる。そこで本研究では、人工核酸の種類や塩基配列の変化に対応できるX線結晶構造解析法を確立することを目的とする。このことを利用すれば、立体構造に基づいた合理的な分子設計が可能になるため、革新的な技術が創出されると期待される。
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研究実績の概要 |
創薬モダリティの多様化が進む中、核酸医薬は難治性疾患の新たな治療法として現在大きな注目を集めている。中でも、疾患関連タンパク質の遺伝情報を含んだmRNAを標的とするアンチセンス核酸は最も研究開発が進んでいる。アンチセンス核酸がその効果を発揮するために、標的のmRNAに対する二重鎖結合能を高め、酵素分解に対する安定性を改善することが必要であるため、世界中で化学修飾を施した人工核酸が開発されてきた。その中でも、核酸の糖部に架橋構造とグアニジノ基を併せ持つGuNA(Guanidine-bridged nucleic acid)は、グアニジノ基の正電荷により相補鎖RNAおよびDNAに対する高い二重鎖結合能と酵素分解耐性を獲得している。これまでの研究でGuNAのグアニジノ基窒素原子上にメチル基(Me)、エチル基(Et)、イソプロピル基(iPr)、tert-ブチル基(tBu)をそれぞれ導入した一置換型GuNA誘導体(GuNA[R])では、置換基の嵩高さが増すに従いオリゴ核酸の二重鎖安定性と酵素耐性能が上昇することがわかっている。 そこで本年度は、GuNAのグアニジノ基窒素原子に置換基を2つもつ(GuNA[R,R])のうち、GuNA[Me,Me]とGuNA[Me,tBu]を導入したオリゴ核酸のX線結晶構造解析を行い、置換基の嵩高さと二重鎖結合能の相関を明らかした。その結果、GuNA[Me,tBu]のtert-ブチル基は二重らせん構造の副溝に配置されるとともに、tert-ブチル基に置換したグアニジノ基の窒素原子とチミン塩基の2-カルボニル基炭素原子が水素結合を形成していた。このX線結晶構造は、GuNA[Me,tBu]導入オリゴ核酸がGuNA[Me,Me]導入オリゴ核酸に比してTm値が大幅に上昇する原因であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GuNA[Me,Me]とGuNA[Me,tBu]を導入したオリゴ核酸のX線結晶構造を明らかにするため、DNA 10-mer 5’-d(GCGTATACGC)-3’と8mer 5’-d(G[T]GBrUACAC)-3’の配列に、GuNA[Me,Me]チミン、GuNA[Me,tBu]アデニン、GuNA[Me,tBu]メチルシトシンを導入した10種のオリゴ核酸の結晶化を行い、そのうち、10-mer 5’-d(GCGTA[T]ACGC)-3’:[T]= GuNA[Me,tBu]、8mer 5’-d(G[T]GBrUACAC)-3’: [T]= GuNA[Me,Me]と8mer 5’-d(G[T]GBrUACAC)-3’: [T]=GuNA[Me,tBu]の3種のX線結晶構造をそれぞれ2.01Å分解能(PDB:8HIS)、0.95Å分解能(PDB:8I50)、0.93Å分解能(PDB:8HU5)で決定し、Protein Data Bankにデータを登録した。現在、誌上発表の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
標的RNA への結合能と生体内での安定性の向上、肝毒性の低減を目的として開発してきた1'-C,3'-O-プロピレン架橋型アルトリトール核酸を8mer 5’-d([G][T][G]BrUACAC)-3’と5’-d(GTGBrU[A][C][A]C)-3’といった導入位置と数を変えてX線結晶構造を明らかにする。すでにどちらのオリゴ核酸も結晶作成には成功しているので、臭化ウリジンの臭素の異常分散効果を利用して位相を求め構造を明らかにする。 オリゴ核酸の結晶化を容易にする因子としてDNA結合タンパク質を利用し、核酸とタンパク質の複合体を調製する。結晶を形成する分子間相互作用をタンパク質のみとすることで、核酸の配列や構造に依存しない結晶化法を開発し、人工核酸のX線結晶構造を明らかにする。
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