研究課題
基盤研究(C)
生体の主成分である脂質の分離と網羅的定量解析を可能とするダブルスタンダードリピドーム(細胞中の脂質総体)解析法を開発し,将来的には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断方法の開発を目指す.この新規解析方法は,定性的解析を行う超臨界流体クロマトグラフィー質量分析装置(SFC-MS)と絶対定量が行える核磁気共鳴装置(NMR)を同時使用する新たな発想からなり,標準品の存在しない微量代謝物の網羅的・絶対定量を可能とする.
非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)は脂肪肝に炎症を伴うとともに病態進行により不可逆的な線維化が惹起される。さらに肝臓の線維化は肝硬変・肝癌へ進展するため、早期の段階で脂肪肝とNASHの違いを明確に判別する診断技術の開発が望まれている。メタボローム解析は、体外診断で疾患を同定できる簡便かつ有用な技術であるが、質量分析装置には絶対定量を行う事はできない。位置異性体の多い脂質を臨床診断に資する定量値を算出するための手法を開発してここに報告する。
メタボローム解析は体外診断で疾患を同定できる有用な技術ですが、測定に使用する質量分析装置は絶対定量ができない。特に位置異性体が多い脂質は、その標準品を用意することすら難しいため、相対定量も困難な状況である。そこで、標準品の存在しない脂質の定量方法を開発すると同時に、未だに体外診断のできないNASHの診断方法に寄与できるのではないかと考えた。メタボローム定量は、今後すべての診断や創薬においてエビデンスを提供する重要な技術に発展します。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)
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