研究課題/領域番号 |
21K06520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
川口 里恵 (伊藤里恵) 星薬科大学, 薬学部, 講師 (90398892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カビ毒 / アフラトキシン / 分解 / かび毒 / 紫外線照射 / 動物飼料 / 食品の安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、動物用飼料がカビ毒であるアフラトキシン(AF)B1に汚染されていたために、家畜体内でに代謝され、乳汁中にAFM1が検出されることが分かり問題となった。そこで、食品を飼料として再生利用する際には、食品自体のカビ汚染を低減すること、また飼料中のカビ毒量を減らすことが必要不可欠である。そこで、カビ毒汚染の制御を目指した紫外線照射の可能性の探究として、紫外線照射によりカビ(菌)の成育およびカビ毒産生を抑制する条件の検討、カビ毒の紫外線照射による分解、さらに再生食品としての安全性を検討し、食品の再生利用を目的としたカビ毒の問題解決に向けた技術を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
昨年度までの研究において、アフラトキシン(AF)の標準品に紫外線を照射し、その分解挙動を検討した。その結果、AFB1およびG1は照射開始から90分で約50%程度まで減少し、それに対し、AFB2およびG2は180分照射しても顕著な減少を示さなかった。標準品は透明溶液なので、溶液全体に紫外線が照射されるのに対し、食品試料に照射する際には、その照射範囲が限定されることが予想されたため、引き続き標準溶液を用いて、紫外線照射条件を再検討した。その結果、AFG1およびB1は、照射から60分でほぼ分解された。また、AFG2およびB2の分解はゆるやかではあるが、AFG2は120分照射で50%、AFB2は120分照射で80%の残存率となった。昨年度よりもかなり分解が進行するようになり、これを最適照射条件とした。この最適照射条件を用いて、食品試料への照射を行った。試料には、実際にアフラトキシン汚染が報告されたことのあるコーンを用いて、ホモジナイズ後にAF標準品を添加し、紫外線照射試料とした。コーン中AFを紫外線照射した結果、120分照射でAFG1が約20%分解したものの、分解率は低かった。そこで24時間照射を行ったところ、最大で35%程度が分解した。このことから照射時間を延長させることで、食品中でもアフラトキシンが分解できることが分かった。また、分解挙動の変化を化学構造から検討したところ、分解の進行しやすいAFB1およびG1は末端がフラン環であるのに対し、分解しにくいAFB2およびG2は、テトラヒドロフランであり、その構造の違いが分解挙動に影響することが示唆された。 また、アフラトキシンを産生するAspergillus 属のカビに紫外線を照射し、その生育抑制を検討する目的で、まずはカビの培養を行った。その結果、アフラトキシン産生6菌株のうち、5菌株から何らかのアフラトキシンが産生された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の試薬入荷が遅れたために、計画を一部入れ替えて実施しているものの、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
紫外線照射を行う菌株の選定および培養が終了したので、その菌株を用いて紫外線照射を行い、生育過程を観察する。さらに照射波長の検討を行うため、購入可能であった364 nm や 600 nm のLED電源を用いて照射し、その波長依存性も確認する。照射した培地を溶媒で抽出し、アフラトキシンの産生量を比較検討する。
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