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Smad2とSmad cofactorの相互作用によるがん悪性化抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06527
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関山梨大学

研究代表者

伊藤 友香  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40454326)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードがん悪性化 / 転写制御 / TGF-β / Smad2 / Smad / 転写
研究開始時の研究の概要

TGF-β(transforming growth factor-β)は、主に転写因子Smad2とSmad3を活性化することで多様な細胞応答を制御する。TGF-βによるがん悪性化に対してSmad2が抑制的に、Smad3が促進的に働くことが報告されているが、両者の機能の違いは十分に解明されていない。申請者は、新たなSmad cofactor(Smadと協調して働く転写因子)の候補分子がSmad2による転写活性化を選択的に増強することを見出した。本研究では新規Smad cofactor候補分子とSmad2の協調作用によるTGF-βシグナル制御の分子メカニズムの詳細を解明する。

研究実績の概要

細胞増殖因子のひとつであるtransforming growth factor-β(TGF-β)は、細胞増殖のみならずアポトーシス、組織線維化や免疫応答など多様な細胞応答に関与することが知られており、TGF-βの作用は主に転写を介した遺伝子発現制御によって発揮される。TGF-βシグナルにおける主要な転写因子であるSmad2とSmad3は、TGF-βが細胞表面の受容体に結合することでリン酸化された受容体によってリン酸化を受け活性化する。リン酸化Smad2/3はSmad4と複合体を形成し、このSmad複合体がDNA上に結合することで標的遺伝子の発現を制御する。TGF-βは進行したがんにおいては細胞運動性・浸潤性、上皮間葉移行、抗がん剤耐性などのがん悪性化を促進する一方、正常上皮細胞においては細胞増殖を強力に抑制することが報告されている。ノックアウトマウス等の解析から、Smad2とSmad3はがん進展において異なる機能を持つことも推察されているが十分に解析されていない。本研究では、Smadと協調して働く転写因子Smad cofactorに注目し、がん悪性化におけるSmad2を介した選択的な転写活性化の機能を詳細に検討することで、TGF-βシグナルとがん悪性化の関連への理解を深めることを目指している。
今年度はCRISPRiシステムを用いて標的Smad cofactor発現抑制株を作製した。2種類のgRNAを用いて検討したところ、どちらのgRNAを使用した場合おいても標的遺伝子発現は80%以上抑制され、がん幹細胞性に関与する遺伝子のTGF-β依存的な発現誘導が阻害された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CRISPRiの系確立により、標的Smad cofactorの発現抑制細胞株を複数種類樹立することができた。また、この標的Smad cofactorががん幹細胞性に関与する遺伝子発現を制御していることが示唆された。

今後の研究の推進方策

樹立された細胞株と親株を用いて標的Smad cofactor/Smad2によって制御される遺伝子の探索を行う。がん悪性化に関連する細胞増殖、細胞運動性・浸潤性、ストレスファイバー形成、抗がん剤耐性について検討を行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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