研究課題/領域番号 |
21K06536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
和田 平 日本大学, 薬学部, 准教授 (20597398)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NASH / 線維化 / 体内時計 / Bmal1 / 体内時計システム |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肥満や2型糖尿病を背景に肝線維化を伴って発症する進行性肝疾患であり、近年、その有病率が急速に増加している。肝線維化の進展度は、NASHの予後と強い相関性を示すが、肝線維化の進展メカニズムについては不明な点が多い。そのような中、申請者はNASH発症に伴う肝臓の体内時計システムの変調が肝線維化を増悪化させる可能性を見出した。そこで本研究では、肝臓の実質細胞である肝細胞の体内時計システムが消失したマウスを用いて、NASH発症に伴う肝線維化の増悪化メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝細胞特異的に時計遺伝子BMAL1が欠損した(HKO)マウスを用いて、体内時計システムの変調によるNASH発症に伴う線維化の増悪化機構を解析した。NASH誘導食を給餌したControlマウスでは、肝障害、炎症及び線維化が明期に高く、暗期に低くなる日内変動を示したが、HKOマウスにおいて日内変動は見られなかった。また、NASH線維化の日内変動にはTGFβ1のタンパク質発現量の変動の関与が示唆された。さらにHKOマウスはNASH誘発性の肝がんへの進行が増悪化した。したがって、NASHの発症及び増悪化にBMAL1を介した体内時計の関与が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NASHは、肥満や2型糖尿病を背景に線維化を伴って発症し、肝硬変、肝がんへと進展する代謝性疾患であり、近年、その有病率が増加している。線維化の進展は、NASHの予後と強い相関性を示すが、線維化の機序については未知な部分が多い。近年、生活習慣の変化に伴う体内時計の変調が代謝性疾患発症リスクとして注視されている。本研究成果は、体内時計の変調に起因した線維化の新たなメカニズムを示す知見である。
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