研究課題/領域番号 |
21K06538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
高橋 徹行 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (00403692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | hnRNP A1 / CCND1 mRNA / boxB/lambdaNシステム / miRNA / lncRNA / circRNA / hnRNP A1 / がん細胞 / 栄養飢餓状態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、栄養飢餓状態でのhnRNP A1消失機構について翻訳調節に焦点を当てた解析を行い、その機構及び責任分子ががん細胞増殖に及ぼす影響を精査する。更にmiRNA、lncRNA、circRNA等のノンコーディングRNA (ncRNA)からもhnRNP A1と結合するものを同定し機能解析を行っていく。これらの検討を通して「栄養飢餓状態でhnRNP A1との結合から解放され遊離する」RNA群からがん細胞の悪性化を調節するncRNAを見出し、がん分子標的治療や診断・予後マーカーへの応用等における有用性を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
新規hnRNP A1結合性mRNAのCCND1 mRNAについて更に詳細な解析を実施した。欠失変異体を用いた解析により、前年度にに明らかにした飢餓状態によるhnRNP A1タンパク消失を介したCCND1 mRNA不安定化はhnRNP A1タンパク内のRRM1ドメインにより規定される事が明らかになった。この結果を裏付けるように、RRM1ドメイン欠失変異体を安定発現させたHeLa細胞(HeLa-deltaRRM1)をヌードマウス皮下に移植しても、全く腫瘍形成が認められなかった。また、in vitroによる検討において、HeLa-deltaRRM1は著明な増殖速度低下とオートファジー亢進をもたらし、これはCCND1発現のレスキューによって回復した。
低栄養状態によりhnRNP A1 mRNA 3'UTRへの結合性が変動するmiRNAの更なる同定を試みた。結合予測位置解析とレポーターアッセイにより絞り込んだ8種のmiRNAについて、qPCRとimmunoblottingによる発現解析を実施した。lambdaN/boxBシステムを用いたプルダウンによる沈降物からのRNAを用いたqPCR解析では、4種のmiRNA (miR-4734、miR-4745-5p、miR-6126、miR-6798-5p)でこれまでの結果と矛盾することなく低栄養状態による結合量上昇が認められたが、総RNAを用いたqPCR解析では低栄養状態によるレベル変動は認められなかった。また、miR-4745-5p、miR-6798-5pの過剰発現はhnRNP A1タンパクレベルの減少を引き起こしたが、mRNAレベルへの影響は見られなかった。これより、低栄養状態によるhnRNP A1タンパクレベル低下にはmiR-4745-5p、miR-6798-5pを介する翻訳阻害が関与する事が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に沿って概ね順調に研究を遂行できたが、当初想定していなかった結果もいくつか出てきている。次年度は、この点の再検証を行いつつ当初の研究計画を推進していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って概ね順調に進行しているので、次年度も当初の計画通りに研究を推進していき、成果の論文化も並行して進めていく。
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