研究課題/領域番号 |
21K06539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
間下 雅士 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (30738886)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エンドサイトーシス / PARP1 / DNA傷害 / 受容体型チロシンキナーゼ / 上皮成長因子受容体 / がん / プログラム細胞死 / ポリADP-リボシル化 / PARP / EGFR |
研究開始時の研究の概要 |
DNA傷害を負った細胞の受容体活性化に伴う増殖はがん細胞の発生リスクとなる。申請者は、DNA傷害の情報が細胞膜近辺に伝わり受容体をエンドサイトーシスすることを明らかにした。これは、DNA傷害を負った細胞が受容体シグナルを遮断し、がん細胞の発生を予防する一種の生体防御であると考える。この機構は、未だ報告されていない新規の経路であり、学術的に大きなインパクトになると考える。また、がん細胞にみられる変異受容体の無秩序な活性化も抑制することも明らかにしている。申請者は、この機構を応用し細胞膜受容体の遺伝子変異を起因とするがん細胞の増殖および転移を抑制し、新たながん治療の方策を提供することを目的とする。
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研究実績の概要 |
Poly(ADP-ribose) polymerase 1 (PARP1) は、DNA傷害によって活性化を起こし、ポリADP-ribose (PAR) を核タンパク質に付加する。一部のPARは、核タンパク質から切り離され、細胞質に移行することで細胞質のタンパク質に付加しその機能を変化させる。本研究は、DNA傷害時、PARP1の活性化が上皮成長因子受容体 (EGFR) などの受容体のエンドサイトーシスを促進する分子機構を解明することを目的としている。 本年度の研究により、EGFR以外の複数の受容体もPARP1活性化に伴ってエンドサイトーシスされることを明らかにした。加えて、PARP1によって産生されたPARが、細胞質でE3ユビキチンリガーゼIdunaと結合することが重要なステップであることを明らかにした。Idunaは、ユビキチンリガーゼドメインに加え、PAR結合ドメインを持つ。それらのドメイン変異体の発現は、PARP1活性化によるEGFRのエンドサイトーシスを抑制することを明らかにした。これらの結果より、PARP1による受容体のエンドサイトーシスの分子機構を解明することができた。 抗体医薬複合体 (ADC) は、細胞膜受容体に結合する抗体に抗がん剤を結合させたものである。ADCは、標的受容体と結合後、受容体のエンドサイトーシスを介して細胞内に取り込まれることで、細胞毒性を発揮する。PARP1の活性化によるEGFRのエンドサイトーシスは、抗EGFR抗体のADCの細胞質への取り込みを促進し、その効果を増強した。したがって、この機構を利用することによって新たながんの治療法の方策を提供することができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PARP1による受容体のエンドサイトーシスの分子機構の解明を達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
PARP1による受容体のエンドサイトーシス促進機構を利用した薬物治療への応用を目指していく。EGFRなどの受容体はこの機構によってエンドサイトーシスされることを明らかにしているが、その受容体に関連する病態に検討していくつもりである。たとえば、アルツハイマー病は、脳におけるアミロイド-βの蓄積が起因となる。LRP1は、血管内皮細胞に発現し、脳実質のアミロイド-βを取り込み、血管に遊離することで、アミロイド-βのクリアランスに関与する。アルツハイマー病の患者では、PARP1の活性化が報告されているため、LRP1のエンドサイトーシスがアミロイド-βの蓄積に関与しているか調べていく予定である。
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