研究課題/領域番号 |
21K06543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山口 憲孝 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (80399469)
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研究分担者 |
高野 博之 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (60334190)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 分子生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
VGLL3-TEAD複合体がどのようなDNA配列に結合してどのような標的遺伝子を誘導するのかは不明である。詳細なVGLL3の活性化制御機構についても明らかになっていない。さらに、VGLL3と上皮間葉転換との関連についても未解明である。そこで本研究では、Hippo-VGLL3経路によって誘導される細胞応答やその分子機構の全容や、VGLL3活性化の制御機構及び、がん形成との関連について解明する。
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研究成果の概要 |
Hippo経路はタンパク質キナーゼLATS1/2が転写共役因子YAP/TAZを抑制し、転写因子TEADを阻害することによりがん抑制にはたらくシグナル伝達系である。本研究では、LATS1/2の活性化がTEADの転写共役因子VGLL3の活性化を誘導しがん細胞の増殖性を促進することを明らかにした。その分子機構として、VGLL3による炎症性サイトカインIL-1α誘導が重要であることを見出した。さらに、VGLL3活性化は転写因子HMGA2の発現を誘導して細胞運動性を促進することも明らかにした。これらのことから、VGLL3発現の高いがん細胞ではLATS1/2ががん促進的にはたらくことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、Hippo経路の中心的キナーゼLATS1/2の活性化が転写共役因子VGLL3の活性化を誘導し、細胞増殖性や運動性を亢進することを明らかにした。この成果の学術的意義は、がん抑制シグナル経路として広く知られるHippo経路が、がん細胞の状態の違いによりがん抑制とは逆のがん促進機能もつことを初めて明らかにしたことである。さらに、本成果によってLATS1/2の活性阻害ががん治療に応用できる可能性が示されたことは、がん克服を目指す社会において意義のある知見といえる。
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