研究課題/領域番号 |
21K06545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
坂本 明彦 金沢大学, 薬学系, 助教 (70740439)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウイルスベクターワクチン / プロモーター / 新型コロナウイルス / オミクロン株 / マウス / 中和活性 / メモリーT細胞 / 純国産弱毒生ワクチン / COVID-19ワクチン / デルタ株 / COVID-19 / S抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症COVID-19のワクチン接種が始まったが、ワクチンの有効性と安全性の向上が課題とされている。私たちは異種ウイルスベクターを組み合わせたプラットフォームでマラリアのワクチンを開発し、その有効性と安全性の高さが国内外で評価されている。本研究では、このプラットフォームをCOVID-19のワクチン開発に応用し、血清の中和活性を指標としてその効果をマウスモデルで明らかにする。本研究により私たちのワクチンプラットフォームの汎用性が示され、他の新興・再興感染症に対するワクチン開発にも応用されることが期待される。本研究の成果を足がかりに、COVID-19ワクチンの臨床応用をめざす。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度の研究成果を論文にまとめ、国際誌に発表した。前年度はデルタ株が流行したが、当該年度はオミクロンBA.1株が流行した。そこでBA.1株に対応するシュードウイルスを作製し、本研究で開発したワクチンの有効性を検討した。ワクチン投与マウスの血清を用いて中和活性を調べたが、BA.1株のシュードウイルスを中和できたマウスは8匹のうち2匹(25%)で、従来株やデルタ株ほどの中和活性を示さなかった。そこで、プロモーターと遺伝子組換え部位を改良したワクチンを作製し、免疫原性が高まるかを検討した。その結果、血清の中和活性と主要なエピトープに対するT細胞免疫をどちらも3-5倍ずつ高めることに成功した。本研究成果は国際学会で口頭発表する機会をいただき、現在、国際誌での発表準備を進めている。また、改良したプロモーターと遺伝子組換え部位を用いて、BA.1株対応型のワクチンを作製した。このワクチンをマウスに投与した結果、検討した3匹すべてのマウスでBA.1株のシュードウイルスと患者から単離したBA.1株の中和活性を確認できた。本研究では、2種類のウイルスベクターワクチンを作製し、組み合わせて用いることで有効性を高める計画だった。片方のワクチンの作製が難航したが、ワクチンの設計を見直すことで解決し、当該のワクチンを完成させることができた。そこでマウスでの免疫原性を評価した結果、新型コロナウイルスのSタンパク質に対する抗体と主要なエピトープに対するT細胞免疫を誘導できることが確認できた。そのため、このワクチンと今年度論文発表したウイルスベクターワクチンを1回ずつマウスに投与し、有効性や持続性が高まるかを検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、国際誌での研究成果の発表が目標で、達成することができた。また、作製が難航したウイルスベクターワクチンが完成し、前年度の計画どおりマウスでの免疫原性を明らかにした。一方、すでに完成していたワクチンがオミクロンBA.1株に対して期待ほどの効果を示さないことがわかった。そのため、ワクチンの改良という新たな課題が生まれたが、研究全体としてはおおむね順調に進展しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、改良型ワクチンの研究成果を論文にまとめ、国際誌での採択をめざす。また、2022年度に完成したウイルスベクターワクチンとすでに論文発表した別のウイルスベクターワクチンを組み合わせることで、有効性や6ヶ月間をめどに持続性の違いを検討する。
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