研究課題/領域番号 |
21K06551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
津山 崇 東邦大学, 薬学部, 講師 (70436096)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DNA修復 / RecQ4 / 非相同末端結合 / 相同組換え / Ku70 / MRE11 / DNA二本鎖切断 / 相同組換え修復 / 非相同末端結合修復 / RecQ |
研究開始時の研究の概要 |
最も重篤なDNA傷害であるDNA二本鎖切断(DSB)は、主に非相同末端結合と相同組換えで修復される。一方、早老症原因遺伝子産物であるRecQ4は、DSB修復経路で機能することが示されているが、その機能の詳細は明らかとなっていない。本研究では、「RecQ4が非相同末端結合と相同組換えを切り替えるスイッチとして機能する」という仮説について検証するため、RecQ4のDSB修復における機能を、生化学的手法と培養細胞を用いた手法を組み合わせた多角的な解析により明らかとする。本研究で得られる成果は、DSB修復メカニズムの理解と、将来的ながんの化学療法や放射線治療における治療効果の向上に繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究はDNA二本鎖切断の修復経路選択機構を明らかとするため、RecQ4の機能解析をおこなった。DNA二本鎖切断の修復経路にはKu70/Ku80複合体が関与する非相同末端結合とMRE11が関与する相同組換えがある。RecQ4とKu70/Ku80複合体またはMRE11との相互作用について調べたところ、RecQ4のN末側断片(RecQ4-N)がKu70とKu80の複合体形成を阻害する可能性を見出した。また、RecQ4-NがMRE11のエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを明らかとした。これらの結果は、RecQ4がN末側領域を介して、DNA二本鎖切断修復の経路選択に影響を与えることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果により、RecQ4がN末側領域を介して非相同末端結合と相同組換えを促進または抑制する経路選択機能を有する可能性が示された。これはDNA修復経路の選択における新たなメカニズムの発見および、DNA修復と関連性が高い発がんや老化のメカニズムの理解へと繋がる。さらに、DNA修復経路の阻害薬の開発へと応用でき、がん治療における放射線照射や化学療法剤などの治療効果の向上に貢献できる。また、DNA二本鎖切断修復を利用した遺伝子改変技術であるゲノム編集の効率上昇を介して遺伝子治療分野の発展にも寄与する。
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