研究課題/領域番号 |
21K06558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
伊藤 弦太 帝京大学, 薬学部, 講師 (10431892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / LRRK2 / Rab12 / Rab29 / リン酸化 / ゲラニルゲラニル化 / TurboID / Rab / 小胞輸送 / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病は、手指が震える、動きにくいなどの症状を呈する神経変性疾患であるが、その原因はよく分かっていない。原因のひとつとして、LRRK2というタンパク質の異常活性化が考えられている。本研究では、LRRK2の異常活性化の原因を詳細に解明し、新たなパーキンソン病の治療標的を発見することを目的としている。また、LRRK2の異常活性化は、細胞内で不要タンパク質などの分解を行うリソソームという細胞内小器官の局在異常を引き起こすことを既に見出している。そこで本研究では、リソソームの局在異常がパーキンソン病の原因となるか検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、家族性パーキンソン病(PD)原因遺伝子leucine-rich repeat kinase 2(LRRK2)の活性化機構とその病的意義および神経変性メカニズムの解明を行った。LRRK2を活性化することが知られているRab29について、生化学的性状解析を行い、培養細胞や動物組織を生化学的に分画するとRab29は他のRabと異なり膜画分に存在することを見出した。Triton X-114を用いた相分離によりRab29の疎水性を検討し、他のRabと同様に疎水性を有することを確認した。これらの結果から、Rab29は他のRabと同様にゲラニルゲラニル化という脂質修飾を受けるが、GDP解離阻害因子(GDI)による膜からの引き抜きを受けない特異な性質を有することが示された(J. Biol. Chem.誌に発表)。 また、LRRK2の活性化により生じる細胞内現象について解析を行い、培養細胞に家族性変異型LRRK2を過剰発現すると、リソソームが核近傍に集積することを見出した。CRISPR-Cas9法によりLRRK2基質タンパク質をノックアウト(KO)したところ、Rab12のKOによりリソソームの集積が消失した。Rab12 KO細胞に野生型Rab12を再発現することでリソソーム集積が回復したが、LRRK2によるリン酸化部位を置換したS106A変異型Rab12では回復しなかった。これらの結果から、Rab12の過剰リン酸化によりリソソーム局在が異常になる可能性が示唆された(FASEB J.誌に発表)。 さらに、Rab29と共に機能するタンパク質を同定するために、TurboID法を用いたRab29近傍タンパク質の探索を行った。主に小胞体やゴルジ体に局在するタンパク質が同定され、Rab29が分泌経路において機能する可能性が示唆された。今後、Rab29の生理的・病的機能を解明していきたい。
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