研究課題/領域番号 |
21K06565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
柳澤 聖 名城大学, 薬学部, 教授 (20372112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / プロテオミクス / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
有効な標準的治療法が確立されていない難治性腫瘍である悪性胸膜中皮腫は、革新的な分子診断・治療法の開発につながる基礎的な知見が渇望されている。研究代表者は、これまでに臨床試料を用いたクリニカルプロテオミクス解析とそれに引き続く分子生物学的解析を実施しており、悪性胸膜中皮腫組織と細胞株の両者で高頻度に過剰発現するタンパク質を複数同定するとともに、腫瘍細胞の増殖への関与についても明らかとしてきている。本研究課題では、既に同定済みの候補分子群が担うシグナル伝達経路の詳細解明を通じて、革新的な分子標的医療開発の基盤構築を目指していく。
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研究成果の概要 |
アスベスト曝露に起因する悪性胸膜中皮腫は特異的な分子標的治療の開発が立ち遅れている典型的な難治性腫瘍の一つである。我々は、疾患特異的分子の一つである小胞体膜上に存在するCKAP4を同定し、その細胞増殖制御機構を明らかとするとともに、当該経路の阻害活性を有する化合物を同定した。さらには、悪性胸膜中皮腫細胞の増殖に深く関与し、リン酸化を介したシグナル伝達経路の構成分子であることが明らかとなったOSF2タンパク質について、分子標的治療開発へつながることが期待されるOSF2の新たな受容体候補を同定した。これらの成果に基づいて、細胞増殖・ストレス制御機構を標的とする治療法開発を目指していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が悪性胸膜中皮腫特異的タンパク質として同定したCKAP4とOSF2は、分子標的治療開発が立ち遅れている当該腫瘍の増殖能の維持に深く関与しており、その下流のシグナル伝達経路には、様々なリン酸化タンパク質の存在が明らかとなってきていた。これらのシグナル伝達経路の構成タンパク質は、分子標的治療開発へと発展する可能性を有する重要な候補分子群であり、これまでに得た知見により、悪性胸膜中皮腫細胞の特性維持に重要な機能を有する治療標的候補が明確なものとなり、化合物のスクリーニング系構築など将来的な治療法開発の基盤が確立されたものと考えられる。
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