研究課題/領域番号 |
21K06568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
竹谷 浩介 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (20586862)
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研究分担者 |
三河 翔馬 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (20845664)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎微小循環 / 溶連菌毒素 / Streptolysin O / 腎細動脈 / 腎循環 / 急性糸球体腎炎 / 溶連菌 / 細動脈 / 平滑筋 / 溶血性レンサ球菌 / 細胞外毒素 / 腎臓 / 微小循環 / 細菌毒素 |
研究開始時の研究の概要 |
溶連菌感染に起因する急性腎障害の一部は急速に進行して慢性腎不全になることがあるが、この増悪の機序は不明である。我々は溶連菌が産生する細胞溶解毒素SLOが血管内皮細胞を傷害し血管機能を変調させることを見出した。そこで本研究ではSLOによる腎血管内皮障害が腎血管機能を変調させることで急性腎障害を増悪させるという仮説の立証を目指す。SLOの腎血管に対する直接的な作用を検討するため、免疫系の影響の少ない摘出潅流腎と単離血管を用いて、血管運動機能と糸球体濾過量を決定する。また、モデルラットを用いてSLOの糸球体腎炎増悪活性を測定し、SLO誘発内皮障害を抑制する薬剤が糸球体損傷を抑制するか検証する。
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研究成果の概要 |
本研究ではStreptolysin O(SLO)がPSAGN増悪に与える影響を検討した。SLOは細胞破壊や炎症反応を引き起こすことが知られているが、SLO単独投与したラットの腎臓ではPSAGN様病変は認められなかった。摘出した腎輸入細動脈・輸出細動脈に対するSLOの作用検討では、輸入細動脈ではAngII誘発性収縮を抑制し、ACh誘発性弛緩を増強する一方、輸出細動脈には影響を与えなかった。摘出腎灌流実験では、SLOはAngIIによる血管収縮を抑制せず、ACh誘発性二相性弛緩を誘導した。以上、SLOは腎微小循環系に影響を与えることが明らかとなったが、PSAGN増悪に関与するかは不明である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)は、小児から成人まで幅広い年齢層に影響を与える腎疾患である。多くの症例は自然治癒するが、一部の患者では慢性腎不全へと進行する。PSAGNの増悪メカニズムは完全には解明されておらず、治療戦略確立への解明が期待されている。これまでPSAGN発症機序は溶連菌の外毒素の一部(スーパー抗原)がIII型アレルギーを誘発し、糸球体の細胞に炎症を引き起こすメカニズムが明らかとなっている。本研究では、溶連菌が産生する細胞外毒素の一つであるStreptolysin O(SLO)が腎血管機能を変調することが明らかとなり、PSAGNの増悪プロセスに関わる可能性が示された。
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