研究課題/領域番号 |
21K06569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
葛原 隆 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00260513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ / PA / エンドヌクレアーゼ / アセチル化 / ヒストンアセチル化酵素 / PCAF / GCN5 / エピジェネティクス / ヌクレオプロテイン |
研究開始時の研究の概要 |
インフルエンザはスペイン風邪の流行時に4000万人が死亡している。抗インフルエンザ薬としては、ノイラミニダーゼ阻害薬などが使われているが、ウイルスの遺伝子は容易に変異し、薬剤耐性ウイルスの出現などの問題がある。本研究では、新しい作用標的として、インフルエンザウイルスRNA合成酵素のアセチル化=エピジェネティックスに注目した。これまでに申請者はウイルスにおいてもエピジェネティクスがあることを提唱してきている。今回はインフルエンザウイルスのRNA合成酵素がアセチル化されると考え、そのメカニズムの解明と機能の解析を行う。これを標的として、これまでとは異なる新規な抗インフルエンザ化合物の探索を行う。
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研究実績の概要 |
インフルエンザは現在でも重要な感染症であり、保存性が高く変異が起こりにくいインフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼは新規の抗インフルエンザ創薬の非常に良い標的と考えられる。このRNAポリメラーゼは 3種のサブユニットPA, PB1, PB2で構成され、そのうちPAはエンドヌクレアーゼ活性により宿主mRNAから5’-capを含む十数塩基を切り取り、プライマーとして利用することでウイルスのmRNAが合成される。私どもの研究グループは、大腸菌により発現・精製したPAの組換えタンパク質がヒトのアセチル化酵素PCAFとGCN5によってアセチル化され、PAのエンドヌクレアーゼ活性が制御されることを報告した。質量分析によりPAの19番目のリジン残基(K19)がアセチル化標的であることを示唆し、K19をグルタミン(K19Q)と アルギニン(K19R)に変異させたところアセチル化レベルが減少した。興味深いことに、アセチル化リジンを模倣するK19Q変異によりエンドヌクレアーゼ活性が制御され、K19アセチル化の重要性が示唆された。去年までに、さらに質量分析の結果を再検討したところ、新たにK104とK158もアセチル化修飾部位であることを見出した。そこで、本報告では、K104とK158を単独でグルタミンまたはアルギニンに変異させた組換えタンパク質、およびK19・K104・K158の2か所以上のリジンを組み合わせてアルギニンに変異させた組換えタンパク質を作成した。そして、そのうちK104RおよびK104Qの変異を有する組換えタンパク質を用いて、アセチル化レベルの変化を解析した。その結果、どちらの組換えタンパク質もアセチル化レベルの減弱が観察され、K104もアセチル化の標的であることを生化学的に明らかにした。本年は、K19とそれらの変異を組み合わせた各種の複合変異組換えPAタンパク質の作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はインフルエンザAウイルスのRNA依存RNAポリメラーゼのPAサブユニットにおいて、K19だけでなく、K104・K158という複数箇所の新規アセチル化部位の複合的な変異を有するPAタンパク質を作成しつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
インフルエンザPAエンドヌクレアーゼ中に、新たにアセチル化部位として見出したK104とK158を単独でグルタミンまたはアルギニンに変異させた組換えタンパク質、およびK19・K104・K158の2か所以上の複数のリジンを組み合わせてグルタミンまたはアルギニンに変異させた組換えタンパク質を大腸菌を用いて発現、精製し、アセチル化の解析、さらにそのエンドヌクレアーゼなどの機能に対する解析を行う。アセチル化レベルとエンドヌクレアーゼ活性の変化、ウイルスへの効果を解析していく。
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