研究課題/領域番号 |
21K06570
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 国立感染症研究所 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) |
研究代表者 |
宮内 浩典 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (50619856)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | CoV-2 / Tfh細胞 / TFH細胞 / 中和抗体 / 新型コロナウイルス / T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス非感染者におけるT細胞の研究から、季節性コロナウイルスに対して、メモリーT細胞が誘導され、このメモリーT細胞の有無が新型コロナウイルス感染時の症状の違いの要因となっている可能性が報告されている。よって、特定の季節性コロナウイルスの地域的な流行が、日本人を含むアジア人における新型コロナウイルス感染時の死亡率が低い要因のひとつであることも考えられる。しかしながら、メモリーT細胞の存在がコロナウイルス感染防御に対してどの程度寄与するのかについては明らかとなっていない。本研究ではメモリーT細胞の新型コロナウイルス感染防御における機能をマウスモデルを用いて解明する。
|
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスCoV-2感染症やワクチンへの免疫応答におけるT細胞の機能を解析する目的で、我々は主に抗ウイルス抗体誘導に働く濾胞性T細胞(Tfh細胞)に注目して研究を行っている。前年度までにCoV-2抗原ワクチンを接種したマウスではTfh細胞が誘導され、その結果、CoV-2に対する中和抗体が産生されることを明らかとした。今年度ではCoV-2感染マウスにおけるT細胞の活性化を解析する目的で、マウス馴化型CoV-2を感染させたマウスや、ヒトACE-2のノックイン(KI)マウスにデルタ株CoV-2を感染させ、それらのマウス個体においてリンパ節でのTfh誘導とウイルス抗原特異的T細胞を調べた。その結果、これらのCoV-2感染マウスのリンパ節では非感染マウスではほとんど見られないTfh細胞の誘導と、抗体産生B細胞の活性化が認められた。さらにCoV-2特異的T細胞の解析と分離を目的として、これらの感染マウスから分離したリンパ節細胞をCoV-2抗原ペプチドプールを使用して活性化後、インターフェロンγ産生を指標として、CoV-2抗原特異的T細胞の検出を試みた。その結果CoV-2感染マウスリンパ節において多数のCoV-2抗原特異的T細胞を検出することに成功した。さらに解析を進めた結果、これらのCoV-2抗原特異的T細胞には大多数のⅠ型ヘルパーT細胞とごく少数のTfh細胞が含まれることが明らかとなった。次年度以降、これらのCoV-2抗原特異的T細胞の、感染個体防御における役割や、ワクチンによる中和抗体誘導における役割について研究をすすめる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までにマウス馴化CoV-2や、ヒトACE2KIマウスなどを用いたCoV-2感染マウスモデルを確立しており、またTfh細胞やCoV-2抗原特異的T細胞の解析系についても確立済みのため、研究はおおむね順調に進展していると判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度はこれまでに確立したCoV-2感染マウスモデルとCoV-2特異的T細胞の解析系をもちいてCoV-2認識T細胞のTCR解析などを進めることで、CoV-2感染症やワクチンへの免疫応答におけるT細胞の機能を明らかとしていく。
|