研究課題/領域番号 |
21K06571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
齊藤 恭子 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (70235034)
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研究分担者 |
山地 俊之 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (50332309)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 黄熱ウイルス / レプリコン / 複製 / 宿主因子 / ゲノムワイドスクリーニング / ワクチン産生細胞 / スクリーニング / 細胞改変 |
研究開始時の研究の概要 |
黄熱ウイルス(YFV)が引き起こす黄熱病は、特効薬がなく、YFV弱毒株17Dを用いた生ワクチンによる予防が唯一の対策である。我々はYFV17DのRNA複製能をレポーター活性で評価できるサブゲノミックレプリコンを構築した。本研究では、当該レプリコンを用いたゲノムワイドスクリーニングによって、YFVの複製に関わる宿主因子を見出し、YFV17D高生産性細胞を作出する。また、当該細胞を用いて、YFVのゲノム複製機構の手がかりも得る。YFV17Dは、他種ウイルスに対するキメラワクチンの骨格として利用されることから、本研究は黄熱のみならず、広範なウイルスワクチンの生産性向上に資することが期待される。
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研究実績の概要 |
代表者はこれまでに、黄熱ウイルス(YFV)17D株のRNA複製能をレポーター発現で評価できるサブゲノミックレプリコンを構築している。本研究では、当該レプリコンを用いて、①YFVの複製に関与する宿主因子を見出すことにより、YFV17D高生産性Vero細胞を作出すること、②YFVのゲノム複製機構の手がかりを得ることを目的としている。 これまでにYFV17Dのサブゲノミックレプリコンが持続的に複製されるVero細胞(レプリコン細胞)を樹立し、今年度はその性状解析に関する論文を発表した。レプリコンは構造遺伝子の代わりにGFP融合ゼオシン耐性遺伝子をコードしているので、レプリコンの複製をGFP蛍光でモニターすることができる。Vero細胞以外にヒト肝がん由来Huh7.5.1-8細胞でも同様のレプリコン細胞を作製し、特性解析を行ったところ、当該レプリコン細胞はVeroレプリコン細胞よりも抗ウイルス薬剤に対する感受性が高く、抗ウイルス薬物スクリーニングに有用であることがわかった。またヒト由来という点は遺伝学的スクリーニングにもメリットがあり、今後はVeroとHuh7.5.1-8の2種のレプリコン細胞を補完的に使用していくのが良いと考えられた。また、YFV感染がもたらす細胞内構造変化をアポダイズド位相差・蛍光顕微鏡で解析したところ、感染に特徴的なオルガネラ膜の時間変化を捉えることができた。今後、複製に関わる膜構造の形成因子を解析する際には、当該顕微鏡を用いたイメージングが有用であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
業務および別テーマの研究活動に時間を割く必要があり、本研究に割り当てた時間がやや減少したため。
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今後の研究の推進方策 |
レプリコン細胞にレンチウイルスベースのCRISPR/Cas9 single guide RNA(sgRNA)機能欠損型ライブラリを導入し、YFV17D の複製能を亢進または低下させる宿主因子を探索する。また、レプリコン細胞を薬物スクリーニングに供する検討も始める。YFV感染細胞における特徴的な膜構造変化に関与する宿主因子の解析を進める。
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