研究課題/領域番号 |
21K06573
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小原 祐太郎 山形大学, 医学部, 教授 (40400270)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | パーキンソン病 / Midnolin (MIDN) / Midnolin (MIDN) / リスク遺伝子 / ミドノリン(MIDN) |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、山形県内の孤発性パーキンソン病(PD)患者の10.5%と英国の患者の6.55%に、機能がほとんど解明されていないMidnolin(MIDN)遺伝子のコピー数の減少が認められ、MIDNがPDの普遍的なリスク遺伝子であることが強く示唆された。 本研究では、PDの病因、病態進展の側面に MIDNの機能不全があることを、疫学的な手法とin vitroとin vivoの両方の実験的な手法から解明し、創薬研究へ結びつけることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
今年度は、新しい作用機序を有する抗パーキンソン病薬の開発を目的として、MIDN遺伝子の発現を上昇させる化合物を米国FDA承認済みの2334化合物を含むライブラリー中から探索した。ヒトMIDN遺伝子プロモーター(-150 bp ~ +125 bp)とホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結させたDNAプラスミドをヒト神経細胞のモデルであるSH-SY5Y細胞にトランスフェクトし、化合物ライブラリー中の化合物で24時間程度刺激した後、細胞を可溶化してルシフェラーゼ活性をルミノメーターで測定した。その活性をMIDN遺伝子発現の指標とした。
一次スクリーニングを終えた段階で、ルシフェラーゼ活性を3倍以上上昇させた化合物を128個、4倍以上に上昇させたものを33個見出した。これらの化合物には、HDAC阻害薬、◯◯系抗生物質、△△系抗炎症薬、□□系消化性潰瘍薬、XX受容体アゴニストなどが含まれていた。現在は二次スクリーニングとして、これらの化合物が実際にMIDN遺伝子の発現を上昇させるかどうか、MIDN mRNAをRT-qPCR法で定量している最中である。
これらの化合物はFDAにより承認され、実臨床で使用されているものである。つまり、ドラッグリポジッショニングを目指した創薬研究そのものであり、従来から知られている薬物とは全く異なる作用機序を持つ抗パーキンソン病薬のシード化合物になる可能性があり、今後の発展性や応用性が期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は精力的に研究活動を行う教員が赴任し、前年度に比べて研究計画に沿った実験が大きく進んだと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後については、化合物ライブラリーから見出したMIDN遺伝子を発現する化合物の作用機序の解明と、in vivoでの有効性を検討する。また、MIDN結合タンパク質が同定されつつあるので、その結合タンパク質との結合部位や機能に与える影響を調べていく。
|