研究課題/領域番号 |
21K06593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 (2023) 富山大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
林 周作 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (10548217)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動的ネットワークバイオマーカー / ゆらぎ / 未病 / Wars / ヒトIBD / 遷移点 / IBD / 大腸上皮細胞 / 粘膜治癒 / 腸管上皮細胞 / オルガノイド / 粘膜バリア / 粘膜免疫 / 腸管マクロファージ / 創傷治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、腸管の難病である炎症性腸疾患の治療において長期寛解維持を実現することが重要であると世界的に認識されている。しかし、再燃の予防または寛解維持を目的とした治療薬の選択肢は少なく、長期寛解維持を実現させる新規治療薬の創出が求められている。これまでの研究から、腸管マクロファージのIL-10産生を亢進させることが、再燃を予防し、長期の寛解維持を実現できるのではないかと考え、探索研究から腸管マクロファージにおけるIL-10産生を亢進させる候補薬物としてベルベリンを見出した。そこでベルベリンが、再燃を予防することにより、長期寛解維持を実現するリード化合物として有用であることの検証を本研究で遂行する。
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研究成果の概要 |
本研究は再燃を予測して予防的介入を行うことを目的に、遺伝子発現の揺らぎに着目して健康状態から疾病状態への遷移を科学的かつ客観的に捉える新たな数理解析手法であるDNB解析をIBDモデルマウスに適用した。その結果、大腸炎の発症前に27個のDNB遺伝子が同期して大きく揺らぐ遷移前状態すなわち未病状態を検出した。次にDNB遺伝子が病態生理学的に意味をもつ遺伝子であることを実証するため、制御理論解析およびGEO databaseを用いたヒトIBD患者でのDNB遺伝子の発現解析を行い、DNB遺伝子の中でWarsに介入したところ、WarsはIBD病態にて保護的に働くことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、IBDモデルでのDNB解析さらに制御理論解析を行うことで見出されたDNB遺伝子Warsが、IBD病態において病態生理学的意義がある分子であることを初めて示したものである。また、実際にWARSを含むいくつかのDNB遺伝子の発現は、ヒトIBDの病態と関連して変動しており、病態によっては揺らぐ可能性を見出した。よってWARSをはじめとするDNB遺伝子の揺らぎを抑制させることが、再燃予防や寛解維持を通したIBD病態の改善に繋がる可能性が考えられる。
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