研究課題/領域番号 |
21K06594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田熊 一敞 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (90289025)
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研究分担者 |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (60403193)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / バルプロ酸 / 性差 / マウス / 社会性障害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,国際的に自閉スペクトラム症 (ASD) を罹患する小児の著増が認められ,その発症率は女児に比べて男児のほうが約4倍高いことが知られている.研究代表者らは,妊娠中の抗てんかん薬服用により出生児のASD発症リスクが増大するという臨床知見に着目し,胎仔期バルプロ酸 (VPA) 曝露マウスがASDモデルとして有用であることを明らかとし,また,本モデルマウスが臨床所見と同様に雄性でASD様症状の発症率が高いという“性差”を示すことを見いだした.本研究では,これらの知見を踏まえて,“性差”を指標としてASDの病態分子基盤の解明を試み,新たな薬物療法への応用を追究する.
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研究実績の概要 |
研究代表者らは,妊娠中の抗てんかん薬服用により出生児の自閉スペクトラム症 (ASD) リスクが増大するという臨床知見に着目し,代表的な抗てんかん薬であるバルプロ酸 (VPA) を胎生12.5日目に曝露したマウスにおいて,出生後に雄性のみが社会性行動の低下といったASD様症状を示すこと,ならびに大脳皮質の器質的および機能的変化が生じていることを見いだした.本研究は,ASD様症状を示した“雄性”の胎仔期VPA曝露マウスと,ASD様行動が誘導されなかった“雌性”の胎仔期VPA曝露マウスにおいて,VPA曝露後の胎仔~出生仔の脳内における神経生化学的および神経解剖学的変化を比較解析し,“性差”を指標として,ASDの中核症状様行動の発現に関わる誘導分子あるいは抑制分子を解明することを目的として立案した.令和4年度は,(1) 胎仔期VPA曝露によるASD症状において性差をもたらせる候補分子の探索と同定,および (2) 脳の性分化に関わる分子の胎生期VPA曝露による産生および発現変化の解明に関わる実験を計画し,研究代表者である田熊と研究分担者である松崎に加えて,研究協力者として研究代表者の教室で新規採用した准教授1名,院生 (2名) と学生 (2名) に参画いただき実験を進めた.令和4年度は,新設した行動解析室において成育後のASD様行動発現の再現性を確認するとともに,生後1日齢の雌雄マウスの大脳皮質より抽出したRNAよりcDNA標品を調製し リアルタイムPCR法にてエストロゲン受容体,エストロゲン合成酵素甲状腺ホルモン変換酵素の発現変化を解析した.解析した分子において現時点において性差は検出できていないが,いずれの分子もVPA曝露群で減少傾向が認められたため,現在追加実験を実施中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画立案時に想定した以上に,コロナウイルス感染拡大および研究代表者が利用する研究棟の改修工事の影響 (騒音と粉塵,機器移設時のフリーザーおよび超低温フリーザーの故障) の影響が非常に大きく,令和3年度の研究計画がかなり遅れることとなった.令和4年度の前半は実験環境の再整備に少し時間を要したが,後半からはやや遅れながらも研究計画に沿って実験を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染拡大と研究代表者が利用する研究棟の改修工事の影響により研究計画が遅延したため,研究計画の進捗状況は良いものとは言えないが,令和4年度に実験環境の再整備と研究協力者の体制構築ができたことより,令和5年度は,これまでの遅れを挽回できるように,今まで以上に途中過程での討論を増やし,より効率よく,そしてより確実に実験を進めていくことができるように尽力する.
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