研究課題/領域番号 |
21K06599
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
山口 賢彦 静岡県立大学, 薬学部, 客員共同研究員 (00632639)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 脂肪組織 / 組織幹細胞 / nr4a / 線維化 / 幹細胞 / 核内受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪組織に存在する間葉系幹細胞は、肥満の初期段階においては成熟脂肪細胞へと分化することで血中の糖・脂質バランスを改善し、肥満への適応を促す。一方で慢性的な肥満病態下では脂肪組織の線維化を誘導し糖代謝を悪化させる原因となる。したがって脂肪組織の間葉系幹細胞は、肥満と糖代謝異常を予防・治療する有力なターゲットとなり得るが、その確立には至っていない。申請者はこれまでに脂肪分化および線維化を調節する新規因子としてnuclear receptor 4a1を同定した。そこで本研究ではnuclear receptor 4a1を介した新規の肥満予防・治療法を確立するための研究基盤形成を目指す。
|
研究実績の概要 |
脂肪組織由来の幹細胞は自己複製能と多分化能をもつ間葉系幹細胞である。肥満の進行過程おいて脂肪組織由来幹細胞は脂肪細胞へ分化し、脂肪滴の貯蔵やアディポカインの分泌を行う。またコラーゲンやフィブロネクチンを産生し脂肪組織の線維化に寄与することも報告されている。しかし脂肪組織由来幹細胞の機能破綻と、生活習慣病などの発症リスクとの関連についてはほとんど理解されていない。これまでに当研究室では脂肪組織由来幹細胞の遺伝子発現を網羅的に解析し、nuclear receptor 4a1(Nr4a1)が高発現していること、Nr4a1の安定発現株では脂肪分化を抑制することを明らかにしている。そこで本研究では脂肪組織由 来幹細胞選択的Nr4a1欠損マウス(Nr4a1-cKOマウス)を作成し、in vivoにおいてNr4a1が脂肪組織由来幹細胞の機能調節を介して、生理機能の恒常性維持や疾患発症に関連する可能性を調べることを目的とした。 【方法・結果】Nr4a1-cKOマウスにTamoxifenを25 μg/g/dayで6日間腹腔内投与することによりNr4a1欠損を誘導した。2週間の回復期間をおいた後、脂肪組織を採取しflow cytometry 法により脂肪組織由来幹細胞(PDGFRα (+)CD31(-)細胞)を分取した。これまでにNr4a1の発現量をRT-qPCR法にて定量した結果、Nr4a1-cKOマウスにおいて約60%の減少が確認できている。Nr4a1が肥満の進行や病態悪化に寄与するか検討するため、Nr4a1-cKOマウスに高脂肪食を8週間摂餌させた。RT-qPCR法にて線維化関連遺伝子について定量した結果、Nr4a1-cKOマウスにおいて複数の遺伝子の発現量減少が確認できた。
|