研究課題/領域番号 |
21K06605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
坂本 謙司 帝京大学, 薬学部, 教授 (80317065)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 薬理学 / 網膜 / 神経変性疾患 / 緑内障 / 網膜色素変性 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜変性疾患の克服は,世界的にも非常に重要な研究課題の1つである.また,網膜は,神経細胞,グリア細胞および毛細血管などを含む中枢神経組織における炎症性反応の空間的・時間的制御と神経傷害との関係を比較的容易に結びつけることが可能な組織であり,中枢神経系組織を構成する各種細胞における炎症性反応と神経変性疾患の病態との関係を解析する上で格好のモデルである.本研究では,種々の実験手法を組み合わせることにより,網膜における炎症性反応に関わる細胞内情報伝達系の活性化の空間的・時間的変化と網膜神経細胞死との関係を検討し,未だ実用化されていない神経保護薬開発のための基盤づくりを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究計画では,緑内障や網膜色素変性といった網膜変性疾患における網膜神経細胞死の進行に,網膜における炎症性反応が何らかの役割を果たしているとの仮説を立て,一連の研究を行った.一般的に炎症を惹起すると考えられているTLR9の刺激が緑内障モデルマウスにおける網膜神経細胞死を抑制すること,およびこの保護作用にはミュラー細胞由来のTNF-αが関与していることが明らかとなった.網膜色素変性モデルマウスにおいてもTLR9やカンナビノイドCB2受容体の刺激が視細胞の小胞体ストレスによる傷害に対して,弱いながらも保護作用を示すことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,網膜神経変性の発症と炎症性反応との間の関係を明らかにすることによって,網膜変性疾患に随伴する網膜神経細胞死の発症やその抑制の鍵となる分子を推測・実証するための基礎を得ることができた.今後,本研究で得られた研究成果は,緑内障や網膜色素変性をはじめとする網膜変性疾患に対する神経保護治療法の開発に繋がることが期待される.これらの疾患に対する神経保護薬の開発は未だ実現していない現状において,本研究の成果の学術的および社会的意義は大であると考えられる.
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