研究課題/領域番号 |
21K06608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川畑 篤史 近畿大学, 薬学部, 教授 (20177728)
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研究分担者 |
関口 富美子 近畿大学, 薬学部, 准教授 (90271410)
坪田 真帆 近畿大学, 薬学部, 講師 (90510123)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 痛み / 化学療法誘発性末梢神経障害 / トロンボモジュリン / 内臓痛 / 抗凝固薬 / トロンビン / 結腸過敏 / 糖尿病性末梢神経障害 / 過敏性腸症候群 / 血液凝固 / 抗血小板薬 / マクロファージ / 神経障害性疼痛 / HMGB1 / 内蔵痛 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスあるいはラットの難治性疼痛モデルにおいてHMGB1の関与とトロンボモジュリンアルファの予防効果を検証した上で、HMGB1の由来細胞を同定する。次に、内因性トロンビンの活性や産生を阻害する各種抗凝固薬が、難治性疼痛の発症やトロンボモジュリンアルファの疼痛抑制効果に及ぼす影響を検証する。また、病院薬剤師の支援を得て、化学療法誘発性末梢神経障害や糖尿病性末梢神経障害の患者情報を収集し、抗凝固薬の使用が痛みの発症に悪影響を及ぼしているか否かを検証する。
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研究成果の概要 |
化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)等の発症に核内タンパクHMGB1の細胞外放出が関与し、内皮トロンボモジュリン(TM)がトロンビン(TB)依存性にHMGB1を不活性化してCIPN発症を阻止するとの研究成果に基づき、TBの活性や産生能の低下が難治性疼痛の増悪因子となる可能性を検証した。その結果、マウスにおいてCIPN、ブチレート誘起結腸過敏(BICH)、糖尿病性末梢神経障害に対する可溶性TMの抑制効果が抗凝固薬により消失すること、抗凝固薬自体がCIPNやBICHを増悪させることを証明し、さらに、ヒトのCIPNも抗凝固薬で増悪することを検証して血液凝固系による痛み制御に関する新知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の遂行により、多様な難治性疼痛の発症に核内タンパクHMGB1が関与すること、HMGB1を不活性化するトロンボモジュリン/トロンビン(TB)系が痛みを抑制的に制御していることを再確認し、TBの活性・産生を抑制する抗凝固薬が各種難治性疼痛を増悪させることを明らかにすることができた。今回検証した「血液凝固系による痛み制御」は、これまでにない新しい概念であり、「抗凝固薬による痛み増悪」は臨床的に極めて重要な新知見で、社会的意義は極めて大きいと考える。
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