研究課題/領域番号 |
21K06622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
中島 健一 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (70635135)
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研究分担者 |
中島 純子 (富田純子) 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (10454323)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 天然物化学 / 生理活性天然物 / 植物内生菌 / mRNAシーケンス / 天然物 / エンドファイト |
研究開始時の研究の概要 |
植物内生菌(エンドファイト)は、宿主植物に病徴を示すことなく植物組織内に生育する微生物の総称であり、自然界に存在するほぼ全ての植物は内生菌を保菌している。申請者らは国内各地の植物から分離した植物内生真菌が産生する化合物に関する継続的な研究を行っており、これまでも特徴的な構造を有する化合物を着実に報告してきた。一方で、単離化合物の生理活性に関する研究はあまり進展していない。そこで本研究では、mRNAシーケンス(mRNA-Seq)を利用して、植物内生真菌が創り出す化合物の機能性を探索すると同時に、天然物化学研究におけるmRNA-Seqの有用性について検証する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、1)前年度単離した化合物の培養細胞に対する作用の検証、2)植物内生菌および植物のエキスから新たな化合物の探索、3)植物内生菌ライブラリの拡充を行った。 1)これまで単離した化合物の培養細胞に対する作用の検証では、mRNAシーケンスで検討を行う濃度を決定するため、Hep G2細胞、RAW264.7細胞などいくつかの培養細胞に内生菌由来化合物およびヨウシュコバンノキ地下部エキスから単離した化合物を添加し、細胞毒性についてMTTアッセイにより評価した。また、前年度見出したヨウシュコバンノキ地下部エキスから単離した含硫スピロケタール配糖体の抗炎症作用について、これまでのmRNAレベルでの検討に加え、ELISAを用いて炎症性サイトカインのタンパク質レベルでの抑制を確認した。また、免疫細胞染色およびウエスタンブロッティングによりNF-kB経路やMAPキナーゼ経路の関与について検討を行った。 2) 植物内生菌および植物のエキスから新たな化合物の探索では、植物内生菌の産生する化合物について検証を進め、ポリケタイドを中心に数種の化合物を単離した。また、検討する化合物に多様性を持たせるため、植物の二次代謝産物についても検討を進め、新規化合物を含む数種の化合物の単離に成功している。この結果については、今後学会等で報告する予定である。 3) 植物内生菌ライブラリの拡充では、前年に引き続きフィールドにて植物の採集を行い、そこから植物内生菌を分離培養し菌株ライブラリに約100種の菌株を追加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
植物内生菌及び植物資源から、特徴的な構造を有する天然化合物を単離・構造決定し、検討を行うシーズの拡充を着実に進めているが、単離化合物の抗炎症作用などの検討を行った結果、当初の計画よりも時間を要してしまっている。また、mRNAシーケンスの条件検討にも時間がかかっており、研究計画にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、これまで単離した化合物について、令和4年度実施できなかったmRNAシーケンスを利用した遺伝子変動解析とパスウェイ解析を早期に行い、生理活性の検索を実施する。また、植物内生菌が産生する化合物の探索については、今年度も引き続き実施し、mRNAシーケンスに供することのできるユニークな化合物をさらに充実させる予定である。
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