研究課題/領域番号 |
21K06627
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 (2023) 富山大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
田浦 太志 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (00301341)
|
研究分担者 |
森田 洋行 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (20416663)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プレニル基転移酵素 / 生合成 / 二次代謝 / 薬用植物 / 生合成工学 / メロテルペノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では大麻プレニル基転移酵素CsPTの基質特異性を拡張する機能的リデザイン(潜在的触媒活性の顕在化)を実現し、新規メロテルペノイドの酵素合成、微生物生産を実現する。また抗がん剤の候補であるumbellipreninを合成するFaPTをクローン化して構造機能研究を遂行し、関連化合物を含めた酵素合成を実現する。さらに得られた化合物について生物活性を測定し、医薬資源としての可能性を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では大麻由来プレニル基転移酵素CsPT4が生理的な基質のオリベトール酸(OLA)およびGPP以外に広範な芳香族基質およびプレニル基質を受容し、新規化合物を含む多数のプレニル化ポリフェノールを生成することを明らかにした。さらに、酵素反応生成物について、ヒト膵がん細胞を用いた抗緊縮活性試験を行った。この結果、本研究で得られた新規なO-プレニル化カルコン誘導体は、既存の抗がん剤候補化合物であるアルクチゲニンと同等の活性を示すことを証明した。また、本研究では抗がん剤候補天然物umbellipreninの生合成に関わるアギ由来新規O-プレニル基転移酵素FaPT1を同定することにも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プレニル化天然物は注目すべき生物活性を有するが、生合成酵素の機能研究や物質生産への応用研究はいまだ不十分である。本研究では大麻プレニル基転移酵素が植物酵素としては例外的に多様な基質と反応して、ヒト膵がん細胞に顕著な細胞毒性を示す多数のプレニル化ポリフェノールを合成できることを初めて証明した。本成果は酵素を活用した有用天然物の酵素合成に展開可能であり、学術的ならびに社会的意義が大きい。さらに本研究では抗がん天然物umbellipreninの生合成に関わるアギ由来新規O-プレニル基転移酵素FaPT1を同定することにも成功した。本酵素も広範な基質特異性を有しており、有用物質生産への応用が期待される。
|