研究課題/領域番号 |
21K06641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柴田 智博 信州大学, 医学部, 特任講師 (40795986)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トリプルネガティブ乳癌 / エストロゲン受容体 / 乳癌 / 内分泌治療薬 / YB-1 / TNBC / ER |
研究開始時の研究の概要 |
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は乳癌の他のサブタイプと比べ5年生存率が70%と依然として予後が悪い。その要因として、他のサブタイプと異なり標的分子がなく有効な分子標的薬がないことがある。本研究はERαやHER2などの乳癌における治療標的のないTNBCにおいて、乳癌の発症に関わるYB-1の阻害によるERα発現上昇に着目した。これまで治療標的がないため積極的に分子標的治療が行われてこなかったTNBCにおいて、既存のERα標的薬をTNBCの治療に応用できる可能性を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
TCGAデータベースを駆使した検討によりTNBC患者において乳癌のオンコプロテインであるYB-1のリン酸化体の発現が他のサブタイプの乳癌に比べ有意に増加していることを明らかにした。さらに、リン酸化YB-1阻害によりERα発現が上昇しERα標的薬に対する感受性を獲得することを見出している。これまでの検討により、TNBC細胞株7株中3株においてERα発現が上昇しERα標的薬に対して感受性が増加することを観察した。さらに、YB-1 siRNAを用いた検討においても、同様の細胞株でERα発現が上昇することを観察した。また、YB-1によりERα発現が制御を受ける細胞株を用い以下について明らかにすることができた。①リン酸化YB-1標的薬はERαのタンパク質発現を上昇させたが、mRNA発現には影響を与えなかった。②YB-1とERαとの結合がERαのタンパク質の安定性に関与していることから、リン酸化YB-1標的薬のYB-1とERαの結合に与える影響について検討を行った。その結果、リン酸化YB-1標的薬のよりYB-1とERαとの結合が抑制されることが共免疫沈降法を用いた検討により明らかになった。③YB-1リン酸化部位の恒常活性化体及び不活化体を用いた検討により、YB-1のリン酸化体がERαと結合することでタンパク質の安定性を低下させることを明らかにした。④マウス同所移植モデルを用いたTNBC腫瘍の治療実験において、リン酸化YB-1標的薬とERα標的薬の併用は相乗的な腫瘍増殖抑制効果を示した。さらに、リン酸化YB-1標的薬により腫瘍内のERα発現が増加することが観察された。⑤TNBCの臨床検体を用いた検討により、リン酸化YB-1発現とERα発現に有意な相関が観察された。以上の検討により、TNBC細胞においてリン酸化YB-1がERα発現を制御するメカニズムの一部を明らかにすることができた。
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