研究課題/領域番号 |
21K06642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 真弘 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (10726813)
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研究分担者 |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30243041)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腸内細菌 / マイクロ流体デバイス / Organ-on-a-chip / 炎症性腸疾患 / 腸管免疫 / Disease-on-a-chip / Gut-on-a-chip / 共培養 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患の発症機序解明に、腸管免疫を制御する腸内細菌叢が注目されている。炎症性腸疾患の研究進展には腸管細胞と腸内細菌叢の共培養系が必要であるが、腸内細菌の毒性により長期共培養は困難であった。しかし、マイクロ流体チップを用いて培地を還流しながら培養することで腸内細菌の毒性を回避できるのではないかと考えられた。そこで本研究では、マイクロ流体チップを用いて長期間の観察が可能な腸管細胞と腸内細菌の共培養系を確立し、腸内細菌叢の破綻による炎症性腸疾患を模倣するマイクロ流体チップの開発を目指す。本研究によって開発した炎症性腸疾患モデルは、難治性の炎症性腸疾患の新規治療薬の開発に貢献できると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、腸内細菌叢の破綻による炎症性腸疾患を模倣するマイクロ流体チップを作製し、治療候補薬の簡便なスクリーニング系としての有用性を評価した。本チップでは、炎症性腸疾患の発症メカニズムの1つと考えられている腸バリア機能崩壊からの異物の侵入と、それによって引き起こされる炎症反応を表現できた。さらに、腸バリア機能を保持する亜鉛の添加により炎症の惹起を抑制することをチップ上で表現できた。よって、本チップは腸バリア機能に影響を与える物質の炎症性腸疾患に対する有効性を評価できる系となりうると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、炎症性腸疾患の研究には主にげっ歯類を用いた動物モデルが利用されてきたが、ヒトとげっ歯類では種差があることから、その応用には限界があった。本研究で得られた成果は、ヒトの細胞を用いたin vitroの系を構築することで種差を考慮せずに評価が可能となり、炎症性腸疾患治療薬の開発に貢献するものである。また、動物実験の代替としての役割を果たすことができれば、動物実験の削減にも貢献できると考えられる。
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