研究課題/領域番号 |
21K06659
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡瀬 大輔 福岡大学, 薬学部, 助教 (00580200)
|
研究分担者 |
古賀 允久 福岡大学, 薬学部, 准教授 (60570801)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | NASH / NAFLD / プロドラッグ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、メタボリックシンドロームの幅広い危険因子とは無関係に、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が心血管リスクの増加に関連していることが報告されている。 よって本研究では、本研究室で開発したビタミンE同族体γ-トコトリエノール(T3)の水溶性プロドラッグ2R-γ-Tocotrienyl N,N-dimethylglycinate hydrochloride (γ-T3DMG)を用いてNASHに関連して発症する心血管リスクへの有効性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)において心血管系疾患の発症率や死亡率も上昇することが明らかとなっており、メタボリックシンドロームの幅広い危険因子とは無関係に、NASH自身が動脈硬化や心筋梗塞などの心血管リスクの増加に関連していることが報告されている。よってNASH治療を考える場合、NASHの症状を抑制しつつ、併発する可能性の高い心血管リスクも抑制できるかどうかが重要であると考えられる。 本年度の研究では、心血管リスクを伴うNASHに対する薬効を評価するための動物モデルの確立を目的に、アテローム性動脈硬化モデルApolipoprotein E (ApoE)欠損マウスに対して組成の異なる高脂肪食を給餌し、心血管リスクを併発したNASHの評価が可能かどうかを検討した。 F2WTDを摂食させたApoE欠損マウスは、対照マウスと比較して肝臓中トリグリセリド(TG)量、総コレステロール(TCHO)量及び血漿中TCHO量が有意に増加し、血漿中ALT活性は増加傾向にあった。F2HFD1を摂食させたApoE欠損マウスにおいては、肝臓中TCHO量、血漿中TCHO量及び血漿中ALT活性が有意に増加した。また、F2WTD、F2HFD1いずれを摂食させた場合でも、ApoE欠損マウスの全大動脈内腔に形成された動脈硬化巣は、対照マウスと比較して増加していた。 NASHモデルにおいては、肝臓中にTGとTCHOが蓄積し、肝障害のマーカーである血漿中ALT活性が増加すること、また心血管リスクモデルにおいては、大動脈内腔の動脈硬化巣が増加することが重要であると考慮すると、F2WTDを摂食させたApoE欠損マウスは心血管リスクを伴うNASHモデルになり得ると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
動脈硬化モデルApoE KOマウスは高価であるため、実験はジェノタイピングを実施したマウスを用いて繁殖させて行う予定であったが、繁殖が思うように進まず、γ-T3DMGによる心臓の動脈硬化巣の形成・進展及び不安定化に与える影響の評価を実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
繁殖方法を再考してApoE KOマウスを用いた評価を継続していく予定であるが、研究期間を鑑みて評価に影響が出ると考えられる場合は他のモデルマウスを用いた評価を並行して行うことを考えている。22年度に確立した心血管リスクを伴うNASHモデルマウスを用いて、γ-T3DMG投与による有効性評価を実施する。さらに、in vivoモデルによる評価と並行してin vitroモデルによる評価も行っていく予定である。
|