研究課題/領域番号 |
21K06678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
井上 勝央 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50315892)
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研究分担者 |
樋口 慧 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10625304)
岸本 久直 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80723600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | SLC16A5/MCT6 / トランスポーター / オロト酸 / 有機アニオン / 小腸上皮細胞 / 促進拡散 / CD147 / 側底膜 / ヌクレオシド / 輸送 / 核酸 / 吸収 / 薬物動態 |
研究開始時の研究の概要 |
経口吸収性に優れた核酸誘導体の開発を促進するために、小腸上皮細胞における細胞内から血液側への核酸の排出輸送に関与する新規ヌクレオシドトランスポーターを同定し、そのトランスポーターの機能特性および核酸類似化合物の体内動態への寄与を検討する。得られる成果は、核酸類似構造を有する抗ウイルス薬や抗がん剤等の効率的な創薬だけでなく、それらの体内動態や薬物間相互作用の予測に役立つと期待される。
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研究成果の概要 |
小腸上皮細胞に高発現するSLC16A5/MCT6が核酸誘導体等の輸送を関与する可能性について検討した。HEK293T細胞においてMCT6はCD147と複合体を形成し、細胞膜へ局在化し、ピリミジン核酸の前駆体であるオロト酸や5-carboxyfluoresceinを細胞外pHおよびクロライド濃度依存的に輸送した。本輸送活性に対して、核酸類は有意な阻害を示さなかった一方、有機アニオントランスポーターの基質や阻害剤は顕著に阻害した。以上の結果とCD147が小腸上皮細胞の側底膜に局在することを併せて考えると、MCT6は小腸上皮細胞側底膜でのオロト酸や有機アニオン性薬物の排出に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、親水性化合物の腸管吸収において、小腸上皮細胞内に取り込まれた栄養素や薬物がどのように血液側へ移行するのかについては不明とされてきた。しかし、本研究課題において、小腸上皮細胞に高発現するMCT6が側底膜における薬物や栄養素の排出トランスポーターであることが示唆された。したがって、本研究課題で得られた成果は、未解明であった栄養素や薬物などの腸管吸収における分子機構を明らかにするとともに、創薬における吸収性に優れた医薬品の創製、効果的な薬物の投与法、および腸管での排出トランスポーターが関わる薬物相互作用の回避などを可能にすることが期待される。
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