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抗精神病薬誘発性代謝異常に関するメカニズム研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K06685
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関秋田大学

研究代表者

赤嶺 由美子  秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (10814387)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード抗精神病薬 / 代謝異常 / 血中濃度 / バイオマーカー / 遺伝子多型 / 統合失調症 / クロザピン / オランザピン / クエチアピン / 薬物血中濃度モニタリング
研究開始時の研究の概要

統合失調症の治療に用いられるクロザピン,オランザピン,クエチアピンは薬剤性の代謝異常を誘発し,心血管イベントによる死亡率を上昇させる。そこで,本研究はその発現メカニズムを解明すべく,これまで構築してきた濃度測定技術を活かし,抗精神病薬の血中濃度や代謝関連タンパク質濃度と副作用(体重増加,脂質異常,耐糖能異常)との関係を見出し,副作用発現に対してバイオマーカーを用いた治療戦略を確立する。さらに,代謝異常に寄与する遺伝子多型を解析し,投与前からのリスク因子についても探る。

研究実績の概要

統合失調症患者は一般人口と比較すると平均寿命が10年以上短く,その中でも心血管疾患による死亡率が一般人口の約2倍である。背景にはメタボリック症候群の高い有病率があり,その要因の一つが抗精神病薬の服用によるものと推測される。そのため,抗精神病薬誘発性代謝異常は生命予後を左右する重要な問題である。現在,臨床にて代謝異常発現を予測するバイオマーカーは存在せず,抗精神病薬の中でも,特にMARTA (クロザピンやオランザピン,クエチアピン) は糖脂質代謝異常発現のリスクが高いため,治療をより安全で有益に使用するためにはそれらを見出す臨床的意義は大きい。
そこで,本研究は,抗精神病薬誘発性代謝異常に関して,副作用発現に対するバイオマーカーを確立することを目的とし研究を遂行している。令和5年度は,令和4年度と同様,随時患者検体を集積しながら,抗精神病薬誘発性代謝異常に関して,薬物血中濃度ならびに代謝関連タンパク質濃度の解析,さらに遺伝子多型を追加し,研究を継続した。
症例数が定期的に確保できたクロザピン服用患者を中心に,血中濃度測定を実施,さらにELISAを用いて,代謝関連タンパク質濃度としてPCSK9・SREBP1などの濃度測定を追加で実施した。同時に集積したDNA検体を用いて,糖代謝異常に関連する遺伝子ならびに脂質代謝異常に関連する遺伝子多型の解析を実施した。R4年度に解析したPCSK9・SREBP1関連遺伝子多型については,現時点で副作用発現(体重増加,脂質異常,耐糖能異常)との関連が見いだせなかったため,R5年度は研究実施計画に基づき,新たな関連遺伝子多型について,薬物血中濃度との関係性,さらに各遺伝子多型が代謝関連タンパク質濃度に与える影響について解析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画通り,随時症例を追加しながら収集した検体に関して血中濃度測定・代謝関連タンパク質濃度測定,また関連する遺伝子多型について解析することはできているが,因子の同定に苦慮しており,得られたデータをもとに,新たな統計手法等試みている。
また輸入試薬が販売終了となり,購入できなかったため,一部研究計画の見直しが必要となった。

今後の研究の推進方策

得られたデータをもとに,統計解析を進める。また,試薬が購入できず,一部検討できなかった項目については,可能な限り検討を実施する。
成果を論文としてまとめ,またR6年度の各種学会にて発表を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effects on monotherapy and reduction of antipsychotic drugs by clozapine therapy in Japanese patients with treatment‐resistant schizophrenia2021

    • 著者名/発表者名
      Akamine Yumiko、Kikuchi Yuka、Miura Masatomo
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics

      巻: 46 号: 5 ページ: 1312-1318

    • DOI

      10.1111/jcpt.13432

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 疾患を超えて薬学的観点から多剤併用療法の理論を考える. 精神疾患に対する多剤併用療法の問題点2021

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 雑誌名

      日本病院薬剤師会雑誌

      巻: 57 ページ: 1212-1214

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 免疫学的測定法の市販キットがない特定薬剤治療管理料I対象薬物のTDM 統合失調症治療薬・抗てんかん薬のTDM2023

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第39回日本TDM学会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] TDMによる重篤副作用の予測・予防の現状と課題 クロザピンTDMによる重篤副作用の予測・予防2023

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第39回日本TDM学会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PK/PD/PGx解析によるエビデンス創出と個別化薬物療法の新展開.抗精神病薬のTDM2023

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 向精神薬TDMの最前線2023

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第44回日本臨床薬理学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 精神科領域における個別化薬物療法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第32回日本医療薬学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] サイコオンコロジー領域での薬剤師の役割を考える. 脳転移誘発てんかんへの介入2022

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第32回日本医療薬学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 治療抵抗性統合失調症患者におけるクロザピンと気分安定薬との薬物動態学的相互作用に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子, 三島和夫, 小貫薫花, 三浦昌朋
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2021/第29回クリニカルファーマシーシンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] クロザピンをこれまで以上に活用するために. クロザピンの血中濃度モニタリングはクロザピンのより良い普及のために役立つ2021

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第117回日本精神神経学会学術総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 向精神薬の薬物動態・薬物相互作用アップデート. 薬物動態関連バイオマーカーによる向精神薬の個別化投与設計2021

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第31回日本臨床精神神経薬理学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 血中クロザピン濃度シミュレーションの運用に向けての取り組み2021

    • 著者名/発表者名
      森田和弥, 赤嶺由美子, 宮﨑賢三, 小場佐仁美, 牧坂夏実, 阿部裕子
    • 学会等名
      第5回日本精神薬学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 飲食物・嗜好品との薬物相互作用2021

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 学会等名
      第4回日本臨床薬理学会 北海道・東北地方会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 薬事【血中濃度の変動要因を見極めよう 悩ましい薬物動態の諸問題】実践編 薬剤別マネジメント 向精神薬(解説)2024

    • 著者名/発表者名
      赤嶺由美子
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      (株)じほう
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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