研究課題/領域番号 |
21K06705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
鈴木 琢雄 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 主任研究官 (10415466)
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研究分担者 |
橋井 則貴 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 室長 (20425672)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | FcRn / 抗体医薬品 / 抗原提示 / MAPPs |
研究開始時の研究の概要 |
近年、新生児型Fc受容体(FcRn)親和性改変抗体や抗体薬物複合体(ADC)等のように、FcRn親和性が従来の抗体医薬品とは異なる、もしくは異なる可能性があるものが多く開発されつつある。FcRn親和性の違いは血中半減期に加え、抗体医薬品の体内分布や抗原提示にも広範な影響を及ぼすと考えられる。本研究では、MHC-Associated Peptide Proteomics (MAPPs)の手法を用い、FcRn親和性の違いが抗原提示に及ぼす影響について解明する。
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研究実績の概要 |
抗体医薬品は、そのFc部分が血管内皮細胞等に存在する新生児型Fc受容体(FcRn)と結合し、分解から保護されることで、比較的長い血中半減期を持つことが知られている。FcRnはトランスサイトーシスや抗原提示細胞内の輸送にも関与するとされており、FcRn親和性の違いは血中半減期だけでなく、抗体医薬品の体内分布や抗原提示にも広範な影響を及ぼすと考えられる。近年、FcRn親和性改変抗体や抗体薬物複合体(ADC)等のように、FcRn親和性が従来の抗体医薬品とは異なる、もしくは異なる可能性があるものが多く開発されつつあるため、申請者らはFcRn親和性が抗体医薬品の体内分布に及ぼす影響などを明らかにしてきた。本研究では、MHC-Associated Peptide Proteomics (MAPPs)の手法を用いてFcRn親和性の違いが抗原提示に及ぼす影響について解明する。 MAPPs解析の試料として、抗TNFα抗体医薬品であるアダリムマブを基にFcRn親和性改変した抗体を準備した。MAPPs解析では樹状細胞にアダリムマブもしくは改変体を取り込ませ、MHC class II(やclass I)に結合したペプチドを精製して質量分析により提示されたペプチドを同定し、同定された各ペプチド量を相対的に比較した。各種条件の検討により、MHCと結合していると考えられるペプチドが質量分析で同定でき、MHC class IIにおいては 特に提示されやすい抗体領域が認められた。計6ロットの樹状細胞で解析したところ、提示されやすい領域は使用した樹状細胞のロットによって異なり、提示されていないと考えられるロットも多かった。今回主に解析したFcRn親和性改変抗体1種とアダリムマブでは提示されるペプチド量に明確な変化は認められていないが、各種解析を通して改変体間の違いが明らかになってきたため、異なる改変体種でも検討を開始した。今後施行数を増やす必要があるが、改変体とアダリムマブで差がある可能性が考えられ、引き続き解析を行う予定である。
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