研究課題/領域番号 |
21K06707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
新岡 丈典 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20722276)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素阻害薬 / バダデュスタット / OATP1B1 / SLCO1B1遺伝子多型 / コプロポルフィリン / 薬物動態 / 薬物動態関連遺伝子多型解析 / 血中ヘモグロビン値 / 個別化投与設計 / 血中濃度 / EGLN1遺伝子多型 / 薬物動態関連遺伝子多型 / 炎症反応 |
研究開始時の研究の概要 |
低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素阻害薬(HIF-PH阻害薬)を、より有効かつ安全に使用するためには、Pharmacokinetics-Pharmacodynamics-Pharmacogenomics研究が必要である。 ① HIF-PH阻害薬の血中濃度に及ぼす薬物動態関連遺伝子多型の影響を明らかにする。 ② ベースラインからの血中ヘモグロビン値(Hb)変化量に及ぼす薬物動態関連遺伝子多型とプロリン水酸化酵素遺伝子多型の影響を明らかにする。 ③ 炎症反応が、HIF-PH阻害薬の血中濃度およびHb変化量に及ぼす影響について明らかにする。
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研究実績の概要 |
11名の患者(男女比:5:6、平均年齢:64.3歳、平均eGFR:21.2 mL/min)から得られた、バダデュスタット投与後12時間目に採血した計61ポイントの血液サンプルを用いて、血漿中濃度を測定した。本測定には、昨年度、本研究課題において開発した、HPLC-UV法によるバダデュスタット血中濃度測定系を用いた。OATP1B1遺伝子多型(SLCO1B1*1a、*1b、*15)については、リアルタイムPCR装置にてTaqMan試薬を用いて解析した。また、同血漿サンプルを用いて、OATP1B1活性の内因性バイオマーカーであるコプロポルフィリン(CP-1)の血漿中濃度をUPLC-MSMSにて測定した。バダデュスタットの血漿中濃度を投与量で補正したC12h/DとSLCO1B1遺伝子多型及びCP-1濃度との関連について解析した。SLCO1B1 *15アレル保有者は非保有者に比べ、バダデュスタットのC12h /Dが有意に高値であり(61.2 vs. 38.3 μg/mL/g、P = 0.005)、CP-1血漿中濃度も同様の結果であった(0.73 vs. 0.38 ng/mL/g、P < 0.005)。また、バダデュスタットのC12h /DとCP-1濃度との間に有意な相関が認められた(ρ = 0.479、P < 0.001)。本研究成果については、第18回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度末で本研究成果を論文化して発表する予定であったが、血液サンプルの収集が当初の計画より遅れたため、研究期間を1年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
現在、バダデュスタット投与患者における薬物動態-薬物動態関連遺伝子多型解析(PK-PD解析)は概ね終了し、論文化の作業を進めている。加えて、本薬の薬効に影響を及ぼす可能性があるEPAS1やARINT2遺伝子多型解析を進め、ヘモグロビン値との関連について解析し、結果を報告する予定である。
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