研究課題/領域番号 |
21K06712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田島 壮一郎 九州大学, 大学病院, 薬剤師 (10579460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腎移植 / 尿中エクソソーム / マイクロRNA / バイオマーカー / 臨床薬理 / エクソソーム / miRNA / 安全性バイオマーカー / 拒絶反応 / 尿中バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植後の拒絶反応は、移植腎の生着または廃絶に直接影響するため、早期発見に基づく治療介入が重要である。現在、拒絶反応の確定診断には腎生検が必須となるため、非侵襲的な方法で拒絶反応の診断や重症度判定を行える検査の開発が強く望まれている。本研究では、腎移植患者の尿中エクソソーム内マイクロRNAの次世代シーケンス解析により、拒絶反応を的確かつ早期に診断できるバイオマーカーの特定を目指す。
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研究実績の概要 |
腎移植後における慢性拒絶反応は、移植腎の生着または廃絶に直接影響するため、早期発見に基づく治療介入が重要である。移植腎生検(プロトコル腎生検)は、臨床的症状や検査値に異常がない場合でも、拒絶反応の早期発見を目的として定期的に実施される。しかし、腎生検は侵襲性が非常に高く、大量出血や腹腔内臓器損傷などのリスクを伴うため患者や移植腎への負担も大きいのに加えて、拒絶反応と診断される割合は全体の20-25%程度である。すなわち、患者の安全性確保のためにも、非侵襲的な方法により拒絶反応を的確かつ早期に診断できる尿中バイオマーカーの開発が望まれている。 マイクロRNA(miRNA)は、細胞内に存在する1本短鎖RNAであり、塩基配列の相補性により標的遺伝子の翻訳・転写抑制を介して複数の遺伝子やタンパク質発現を同時に制御する。本研究では、尿中に分泌されたエクソソームが主に腎組織由来であることから、エクソソームに内包されたmiRNAに着目し、腎移植後の慢性拒絶反応における尿中バイオマーカーの探索を行った。腎生検の病理診断により、T細胞関連型拒絶反応と診断された患者と拒絶反応なしと診断された患者の2群に分け、尿中エクソソーム内miRNAの発現をmiRNAマイクロアレイ解析により比較検討した。その結果、バイオマーカー候補分子として数種類のmiRNAが見出された。この特定されたmiRNAについて、バイオマーカーとしての有用性を検証する目的で、アレイ解析に用いた尿検体とは別の患者の尿検体を用いてRT-PCRにより検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腎移植患者の尿中エクソソーム内miRNAの発現について、マイクロアレイ解析を行い数種類のmiRNAを見出した。このmiRNAのバイオマーカーとしての有用性を検証するための解析に想定よりも時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイ解析から見出された数種類のmiRNAについて、マイクロアレイ解析に用いた尿検体とは別の尿検体を用いて、プロトコル腎生検を実施した3カ月と12カ月に分けてRT-PCR法により解析する。また、得られた結果からmiRNAのターゲット遺伝子をmiRNAのデータベースと照合し、慢性拒絶反応の発現に関連した遺伝子の特定を目指す。
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