研究課題/領域番号 |
21K06714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 千葉科学大学 |
研究代表者 |
柏木 敬子 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (80169424)
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研究分担者 |
五十嵐 一衛 株式会社アミンファーマ研究所, その他部局等, 代表取締役 (60089597)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ポリアミン / アクロレイン / 翻訳 / ヒストン修飾 / ヒストン脱メチル化酵素 / アクロレイン除去剤 / 高度好熱菌 / Thermus thermophilus / 遺伝子発現制御 / 老化防止薬 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞増殖因子であるポリアミン(スペルミジン、スペルミン)は、細胞増殖・生存率維持に重要な蛋白質の合成を、翻訳レベルで促進する。エピジェネティックコントロールの一つであるヒストンアセチル化酵素中にポリアミンにより翻訳レベルで発現調節される蛋白質を見出した。本研究ではヒストンメチル化に注目し、ポリアミンは翻訳を促進することにより遺伝子発現を制御することを確立する。 アクロレインは、スペルミンの酸化分解により生じ、脳梗塞、アルツハイマー病等の疾患の増悪因子で、老化物質と考えられる。本研究では、副作用が少ないアクロレイン除去物質を老化防止薬として探索し、超高齢化社会を迎える日本の将来に役立てる。
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研究成果の概要 |
細胞増殖必須因子であるポリアミン(プトレッシン、スペルミジン、スペルミン)は、RNAと相互作用し、細胞増殖・生存率維持に重要な蛋白質の合成を、翻訳レベルで促進する。これら蛋白質をコードする遺伝子群をポリアミンモジュロンと命名した。エピジェネティックコントロールの一つであるヒストンメチル化が、ポリアミンにより低下することより、ヒストン脱メチル化酵素12種のうち、3種をポリアミンモジュロンと同定した。 アクロレインは、スペルミンの酸化分解により生じ、脳梗塞、アルツハイマー病等の老齢時の組織障害性疾患の増悪因子である。食物中の成分であるリジンやタウリンがアクロレイン毒性を軽減することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒストン修飾などのエピジェネティックな遺伝子発現制御に異常が起こると、発がんや、免疫制御異常が起こることが知られているが、その制御機構は不明な点が多い。本研究では、細胞増殖必須因子ポリアミンがヒストン脱メチル化酵素の翻訳レベルにおける発現調節因子であることを明らかにし、ヒストン修飾異常解明や新薬開発に繋がる端緒となる成果が得られた。また、ポリアミン代謝により生じる不飽和アルデヒドであるアクロレインは脳梗塞、アルツハイマー病等の老齢時の組織障害性疾患の増悪因子であるが、この毒性を軽減する物質を同定できた。超老齢化社会を迎える日本に大いに役立つと考えられる。
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