研究課題/領域番号 |
21K06718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
加藤 宏一 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (40319322)
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研究分担者 |
加藤 文子 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (60513934)
巽 康彰 東邦大学, 薬学部, 准教授 (40335055)
加藤 義郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40513429)
近藤 正樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00717910)
姫野 龍仁 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60753762)
神谷 英紀 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70542679)
中村 二郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40283444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病神経障害 / 酸化ストレス / ミトコンドリア機能異常 / オートファジー / イメグリミン / ミトコンドリア機能改善薬 / 糖尿病性神経障害 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性神経障害は患者のQOLや生命予後に影響するが、有効な治療法は確立されておらず、その病態解明と治療法の確立が急務である。神経障害の成因のひとつにミトコンドリア由来の酸化ストレスが考えられている。一方、新規経口血糖降下薬のイメグリミンは、血管系細胞や肝細胞において活性酸素を抑制しミトコンドリア機能を改善することが報告されている。 本研究では、神経系細胞における、高血糖および低血糖によるミトコンドリア機能異常の 糖尿病性神経障害の病態に対する関与を解明し、イメグリミンを含むミトコンドリア機能改善薬の糖尿病性神経障害への効果を検討し、新規糖尿病性神経障害治療の可能性を深策する。
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研究実績の概要 |
糖尿病神経障害の成因は多岐に亘るが、その中でも酸化ストレス亢進は中心的な役割を担っている。高血糖状態での酸化ストレス亢進の機序のひとつにミトコンドリア由来の酸化ストレスが考えられている。本研究では、持続高血糖だけでなく低血糖、食後血糖スパイク、血糖変動が神経のミトコンドリア機能異常に関与し、糖尿病性神経障害の発症・進展に関与する可能性について検討した。さらにイメグリミンを含むミトコンドリア機能改善薬の糖尿病性神経障害への効果を検討し、新規治療の可能性を深策した。 IMS32細胞において、高および低グルコースによる細胞生存率の低下、ミトコンドリア酸化ストレスの増加、ミトコンドリア膜電位の低下、ミトコンドリア酸素消費率の上昇、ミトコンドリア電子伝達系複合体I活性の増加が認められた。これらのミトコンドリア機能異常は、イメグリミンにより改善することが明らかとなった。さらにイメグリミンは、NAMPT活性を亢進しNAD+量を増加するとともにATP量を増加することが明らかとなった。 最終年度は、STZ糖尿病ラットにてイメグリミンの糖尿病性神経障害に対する効果を検討した。STZ投与4週後から、イメグリミンを200mg/kg/日、1日2回に分けて4週間経口投与した。コントロール群に比して糖尿病群で腓骨神経伝導速度(SNCV)および坐骨神経内血流量(SNBF)の有意な低下を認めたが、これらの低下はイメグリミン投与により有意に改善した。 この様にシュワン細胞における検討および1型糖尿病モデル動物である糖尿病ラットにおける検討の結果から、イメグリミンは糖尿病性神経障害に対して有効である可能性が考えられる。
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