研究課題/領域番号 |
21K06721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
辻本 雅之 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90372739)
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研究分担者 |
西口 工司 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80379437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 薬物相互作用 / 金属カチオン製剤 / リン吸着薬 / ロスバスタチン / 炭酸カルシウム / 酸化マグネシウム / クエン酸第二鉄 / 消化管吸収 / 相互作用 / OATP |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水酸化アルミニウム・マグネシウム製剤のような金属カチオン製剤が、ある薬物の血中濃度(消化管吸収)を低下させるメカニズムについて明らかにすることである。これまで、金属カチオン製剤と薬物との相互作用は、金属と薬物とが物理的に結合する物理化学的な反応に起因すると考えられてきた。しかしながら、研究代表者らは、そのような物理化学的相互作用では説明できない組み合わせを報告してきた。そこで、本研究では、金属カチオン製剤中の成分が、薬物の消化管吸収に関与するタンパク質を阻害している可能性を考えた。
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研究成果の概要 |
本研究は、マグネシウム製剤およびアルミニウム製剤が、OATPの機能抑制によりCaco-2細胞におけるロスバスタチンの吸収方向の輸送を阻害すること、クエン酸第二鉄が、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)の機能亢進によりCaco-2細胞におけるロスバスタチンの吸収方向の経細胞輸送を促進することを明らかにした。これらの結果は、金属カチオン製剤とロスバスタチンとの相互作用にOATPが関与していることを初めて明らかにするものであり、実臨床において併用されることの多いスタチン系薬剤と金属カチオン製剤との相互作用の理解に重要な知見を与えるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、脂質代謝異常症治療薬の血中濃度が、金属カチオン製剤の併用により、顕著に低下するメカニズムを明らかにしたものである。本研究は、これまで、キレート形成や吸着のような物理化学的相互作用のみを引き起こすと信じられてきた金属カチオン製剤が、薬物トランスポーターの機能抑制および機能亢進を介した生物薬剤学的相互作用も引きおこすことを示した初めての報告である。また、本研究成果の実臨床への適用により、相互作用に基づく医薬品の増量を防ぐことに繋がり、医療費抑制にも繋がると考える。
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