研究課題/領域番号 |
21K06726
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
田中 庸一 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (40525341)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | L-アスパラギナーゼ / 抗体 / 過敏症 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
L-アスパラギナーゼ(L-Asp)は急性リンパ性白血病(ALL)に対する主要な治療薬の1つである。L-Asp投与に伴い、患者の体内に高頻度で抗L-Asp抗体が産生され過敏症状の発現や、効果の減弱が生じる。本研究では、L-Asp投与に伴い産生される抗L-Asp抗体の抗体価を測定し、過敏症状の発現や効果減弱に対する定量的な指標になるかについて検討を行う。また、抗L-Asp抗体産生量の個体差について、投与された個体の持つ要因との関連性を検討する。本検討により、ALL患者へのL-Asp投与における抗体価の有用性と、抗体産生に関連する個体要因を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
小児急性リンパ性白血病の多剤併用療法において、L-アスパラギナーゼ(L-asp)は主要な治療薬の1つである。一方でL-aspはタンパク製剤であることから、投与された患者の生体内で抗L-asp抗体が生成することで過敏症の発現や治療効果の減弱が生じる可能性があるため、投与後の管理は重要となってくる。本研究では、L-asp投与に伴い、患者の生体内に産生された抗L-asp抗体の抗体価を測定し、抗体の細胞応答性を評価する事によって、L-aspによる過敏症の発現や治療効果の減弱について関連性を検討し、定量的な指標とする事ができるかについて明らかにする。抗L-asp抗体としては、IgE及びIgG抗体を高感度に定量するために、ELISA法等によって測定系を構築している。また、抗L-asp抗体の細胞応答性については、ヒトFcγ受容体(FcγRIIa, RIIIa)やFcε受容体(FcεRI)を発現させた細胞内シグナル伝達を評価できるレポーター細胞を利用した方法の構築を開始している。 令和4年度に研究倫理審査において承認を受け、日本小児がん研究グループに所属している施設へL-asp過敏症の発生の有無及び患者登録の可否について調査を行い、10施設から患者登録の協力を得ることができている。各施設において患者登録を行い、過敏症発症6例、非発症例10例が登録された。各患者の血清及び臨床情報の提供を受けた。L-asp過敏症発症例の血清を用いて、Fcε受容体(FcεRI)を発現させた細胞内シグナル伝達を評価できるレポーター細胞における抗体評価を実施するために、最適な測定条件の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理審査及び各研究協力施設における研究実施許可に時間を要し、L-aspを投与された患者より採取した血清の収集が遅れているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、L-asp過敏症の発症例及び非発症例の検体収集を継続し、収集した血清について抗L-asp抗体の抗体価をELISA法等で測定する。細胞応答性についてはヒトFcγ受容体(FcγRIIa, RIIIa)やFcε受容体(FcεRI)を発現させた細胞内シグナル伝達を評価できるレポーター細胞を利用した方法を最適化した後に、収集した血清において評価を行う。抗L-asp抗体価及び細胞応答性について、過敏症発症例と非発症例の間で比較を行う事を計画している。
|