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皮質-線条体投射ニューロンの新たな機能―成体ニューロン新生との関係

研究課題

研究課題/領域番号 21K06735
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分48010:解剖学関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

森 徹自  鳥取大学, 医学部, 教授 (30285043)

研究分担者 岡田 誠剛  倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (40334677)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード成体ニューロン新生 / 脳室下帯 / グルタミン酸 / 軸索当社 / 帯状皮質 / 軸索投射 / 神経回路 / 大脳皮質 / 線条体
研究開始時の研究の概要

成体脳の脳室下帯(subventricular zone, SVZ)におけるニューロン新生において、グルタミン酸(Glu)の重要性は指摘されてきた。しかし、前脳におけるGluの主要な起源である大脳皮質からの影響については、不明である。私は、皮質-線条体投射ニューロンの軸索が、成体SVZの中を走行することを見出した。そこで、皮質-線条体ニューロンは、私が発見したSVZ--neuron(SVZ内に少数存在するGABA作動性ニューロン)を介して重要な役割を担うとの仮説を立てた。本研究では、この仮説を検証する。

研究実績の概要

前年度までの研究から、内側大脳皮質に存在する皮質‐線条体投射ニューロン(corticostriatum projection neuron, CStrPN)は、成体の脳室下帯(subventricular zone, SVZ)における新生ニューロンの移動を制御していることが判明している。これは、成体期にCRtrPNを破壊して、SVZへの入力を遮断することで示すことができた。
今年度は、CStrPNが、SVZとそこに存在する神経幹細胞の成熟・分化に及ぼす影響について、発生学的な観点から検討した。その際、子宮内電気穿孔法によって、ニューロンの興奮を人為的に促進/抑制する遺伝子、NaChBac/Kir2.1をそれぞれCStrPNに導入することで、SVZの生後発達を解析した。
この解析の前提条件として、まずは生後/成体SVZにおける神経幹細胞の形態変化を明らかにする必要がある。神経幹細胞は、マーカーとしてグリア線維性酸性タンパク質(Glial fibrilary acidic protein, GFAP)を発現し、胎生期の放射状グリア様の形態を持つことが知られているが、成熟に伴う詳細な形態変化は不明である。そこで、生後SVZの神経幹細胞を可視化するために、GFAPプロモーターで蛍光タンパク質を発現するプラスミドを、生直後マウスのSVZに導入した。そして、神経幹細胞の形態変化を検討したところ、生直後は胎生期の放射状グリア同様、分岐しない1本の長い突起(basal process)を有する形態であった。成熟と共に、basal processに分枝と無数の微細な突起を有する形態を持つ細胞に変化することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度に引き続き、電気穿孔法による遺伝子導入に苦労した。子宮内あるいは生後マウスへの電気穿孔法によるプラスミド導入は、導入部位や効率を一定化することが非常に困難である。そのため、非常に多くの個体を処理し、解析に適する個体の確保に時間がかかった。
また、多くの学内業務のために、十分な研究時間を確保することが困難であった。

今後の研究の推進方策

CStrPNの破壊実験結果を、別の視点から裏付けるためには、NaChBac/Kir2.1を導入し、生後発達を検討する実験が重要になってくる。本研究課題を推進する上での障壁は、前述の通り、電気穿孔法による遺伝子導入の手技的問題である。しかし、発生学的な側面から解析を行うためには、代替手段が存在しない。引き続き検討・解析を行ってゆく。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Cortical projection to the subventricular zone and its effect on adult neurogenesis in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Rei Ota, Ryota Yoshida, Tetsuji Mori
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 799 ページ: 137101-137101

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2023.137101

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運動時の消費エネルギー量は成体海馬ニューロン新生の鍵因子である2022

    • 著者名/発表者名
      Shuji Kurebayashi, Taro Koike, Tetsuji Mori and Hisao Yamada
    • 雑誌名

      びわこ健康科学

      巻: 1 号: 0 ページ: 41-49

    • DOI

      10.57434/bjrh.22006

    • ISSN
      2758-1780, 2758-1799
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Cortical projection to the subventricular zone and its effect on adult neurogenesis in mice2023

    • 著者名/発表者名
      森 徹自、大田 麗、吉田 亮太
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Morphological analysis of radial glia-like cells in the postnatal mouse subventricular zone2023

    • 著者名/発表者名
      吉田亮太、大田 麗,森 徹自
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生後マウス脳室下帯に存在する神経幹細胞の形態学的分類2023

    • 著者名/発表者名
      吉田亮太、森 徹自
    • 学会等名
      第64回日本組織細胞化学会 学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生後マウス脳室下帯におけるニューロン新生と帯状皮質-線条体ニューロンの関係2023

    • 著者名/発表者名
      森 徹自、大田 麗、吉田 亮太
    • 学会等名
      日本解剖学会 第77回中国・四国支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生後マウス脳室下帯に存在する神経幹細胞の形態学的変化と分化2023

    • 著者名/発表者名
      吉田亮太、森 徹自
    • 学会等名
      日本解剖学会 第77回中国・四国支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大脳皮質の発生過程における細胞の興奮性と脳梁形成2022

    • 著者名/発表者名
      大田麗、岡田 誠剛、森 徹自
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 成体マウスにおける脳室下帯ニューロン新生に対する帯状皮質投射ニューロンの作用2022

    • 著者名/発表者名
      大田 麗,吉田 亮太,森 徹自
    • 学会等名
      第63回日本組織細胞化学会 学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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