研究課題/領域番号 |
21K06746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今野 幸太郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20599641)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コレシストキニン / CCK / 脳腸相関 / 延髄 / 孤束核 / 最後野 / 迷走神経 |
研究開始時の研究の概要 |
コレシストキニン(CCK)は上部小腸から分泌され、食後の胃酸、膵液、胆汁の分泌を制御する重要な消化管ホルモンである。末梢型のCCK受容体は標的となる消化腺や胆嚢に発現するだけでなく、脳にも一部発現し摂食行動や消化機能制御に影響を与えることがこれまで報告されている。しかし、「消化管で産生放出されたCCKが、どのようにして脳に作用するか」という基本的情報は大きく欠落している。本研究では、CCK1R特異的抗体および完全欠失型・誘導型のCCK1R受容体欠損マウスを用いて、CCK1Rを介する脳腸機能相関の伝達基盤と生理機能の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)は、迷走神経の求心性神経のCCK1受容体(CCK1R)を介して食後の摂食量減少に関与する。本研究は、マウス脳の迷走神経背側複合体(DVC)におけるCCK1Rの発現を詳細に検討した。CCK1Rの特異的な反応は、孤束核(NTS)と最後野(AP)に終末する迷走神経下神経節の中枢枝に多く認められた。また、NTSとAPにおけるCCK1R分布は、血管内に投与したエバンスブルー色素の拡散領域と重なっていた。以上の結果から、DVCのCCK1Rを介する神経活動は血液脳関門を欠くAPから拡散するホルモン性CCKによって制御されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在に至るまで「消化管で産生放出されたCCKが、どのようにして脳に作用するか」という基本的情報は大きく欠落していた。CCK1Rの詳細な局在解析により、CCK1Rは延髄の迷走神経背側複合体に局在することが明らかとなった。さらに、血液脳関門を欠く最後野から拡散するホルモン性CCKによってDVCのCCK1Rを活性化する可能性が示唆されることから、CCKが関与する脳腸機能相関の情報伝達基盤の解明に大きく寄与する研究成果である。
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