研究課題/領域番号 |
21K06748
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 一穂 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20642565)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 細胞内物質輸送 / 分子モーター / 黒色素胞細胞 / メラノソーム輸送 / メラノサイト |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内物質輸送を担う多様な分子モーターの多くは、細胞内においてin vitroの数倍「速く」運動することが知られているが、この違いをもたらす分子機構は分かっていない。本研究では、細胞内のメラノソーム輸送速度がin vitroと同程度の両生類黒色素胞細胞と、その数倍の輸送速度を示す魚類黒色素胞細胞を用い、輸送に関わる各因子の機能を比較することによってこの問題にアプローチする。分子モーターがなぜ細胞内で「速い」のかという分子モーター特性の一端の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
細胞内の分子や小胞、細胞小器官の多くは、細胞内物質輸送機構によって細胞内での局在が制御されている。輸送を駆動する蛋白質である分子モーターについては、その運動特性やそれに伴う分子の構造変化が多く研究されてきたが、細胞内において、多くの分子モーターがin vitro再構築系より高速に運動する理由はまだよく分かっていない。近年では、細胞内特有の分子混雑状況や非熱的な揺らぎとの関連が指摘されているが、本課題では、魚類と両生類の黒色素胞細胞(melanophore, melanocyte)を用い、メラノソーム輸送速度の違いに着目し、このような分子モーター特性の解明を目指す。 本年度は、標的細胞へ分子モーターを含む輸送制御関連遺伝子(RMU(regulated motor unit))の導入と並行して、ゲノム編集の高効率化を図るため、特異的標的配列への結合を可視化するTALE及びCas9の蛍光プローブを複数作成し、結合能の検証を進めた。また、これらに加え、福島県立医大佐事博士らとの共同研究を進め、キネシン3ファミリーの1種であるKIF1Cのがん細胞中でのinvadopodia形成・伸長における挙動と制御機構を追求した。共同研究ではKIF1Cはc-Srcによるリン酸化を受けてMT結合能が活性化されることが示された。メラノソーム輸送においては、キネシン2の1種であるKIF3がメラノソーム拡散時の初期過程で一過的に活性化することが分かっており、これまでに一部のチロシン残基のリン酸化が重要であることを示唆する結果を得ている。今後は上記で得た知見を参考に、KIF3の運動特性を制御する機構に迫る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りに進展しており、最終年度までには成果としてまとめることが期待できる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画予定の通りに推進する。
|