研究課題/領域番号 |
21K06751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長島 寛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40435665)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊髄神経 / 発生 / 頸神経 / 肢芽 / 実験発生学 / 比較発生学 / 進化 / 頸部 |
研究開始時の研究の概要 |
進化は形の変化であるが、それは形を作る発生過程の変化でもある。その機構を探るモデルとして横隔膜に代表される頸部形態の進化を明らかにする。横隔膜は哺乳類にしかなく、腹式呼吸によって高い代謝能を可能にし、哺乳類の進化を引き起こした構造である。本研究では横隔膜を持つマウスとそれを持たないニワトリ、スッポンの発生を比較し、後者に横隔膜を作り出し、哺乳類の進化を引き起こした発生機構の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
哺乳類で横隔膜が進化した発生的背景をさぐるため、ニワトリに横隔膜を再現する試みを行なった。横隔膜発生は四肢筋発生と似ており、ニワトリ胚頸部に過剰肢を作ると、そこに体節から筋芽細胞が侵入して筋ができるから、筋の進化は比較的容易にできたと推測される。一方、筋を動かす神経は頸部過剰肢に入らず、横隔膜進化での障害になると考えられた。過剰肢に神経が入らない原因を調べた結果、中頸部体節に軸索伸長阻害作用があることが分かった。この阻害作用は腕神経叢より頭側の神経のみに作用するものだが、その形態的意味は不明で、鳥類特異的な性質の可能性もあり、今後スッポンを用いた更なる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニワトリの中頸部体節には他のレベルにはない軸索伸長阻害作用があるのが分かった。他の羊膜類の頸神経との比較から、この作用は鳥類特異的であり、鳥類進化の過程で獲得されたものと推測されるが、未だその形態的意味は不明である。また、この阻害作用に対しては運動ニューロンと感覚ニューロンで効果が異なっており、これらのニューロンの軸索伸長メカニズムの相違を明らかにするのに役立つものと考えられる。
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