研究課題/領域番号 |
21K06758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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研究分担者 |
石西 綾美 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10836018)
辰巳 晃子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90208033)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 痛覚 / 触覚 / 末梢神経 / マクロファージ / SNX25 / NRF2 / NGF / 真皮 / 内蔵痛 / Nrf2 / ユビキチン / 痛み / 骨髄移植 / vonFrey テスト / 神経因性疼痛 / コンディショナルKO / SNX |
研究開始時の研究の概要 |
我々が発見したSNXファミリーメンバーを皮膚マクロファージ内で特異的に欠損させると通常起こる機械的刺激に対する防御反応や炎症条件における痛み行動が低下することを見出した。本研究ではSNXがマクロファージ内でどのような因子の産生分泌に関わっているのか?またその因子がどのように感覚神経に働いて「痛み」の感覚を起こさせているのかを主にマウスを用いて実験し解明する。この研究の成果は新しい鎮痛薬やかゆみ止め薬の開発につながる可能性が期待される。
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研究成果の概要 |
我々は疼痛鈍麻の表現型を示すトランスジェニックマウスを偶然発見し、このマウスのゲノム解析、mRNA解析からSNX25遺伝子が疼痛関連因子である可能性を考えた。SNX25ノックアウトマウスは上記マウスと同様に疼痛鈍麻の表現型を示すことからSNX25が責任因子であると確定した。コンディショナルノックアウトマウスを作成し、神経細胞ではなくマクロファージにおけるSNX25が痛覚を制御していることを見出した。SNX25はマクロファージ内で転写因子Nrf2のユビキチン化を抑制しており、これによってNrf2がNGFの産生を促すことで痛覚の閾値を低下させているメカニズムを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
末梢の痛覚ー触覚は神経線維が感知するという概念が一般的であるが、本研究では神経線維に近接して存在する免疫系細胞、マクロファージが神経線維の感度調節を行っているという新たな側面を見出した点で意義が大きい。マクロファージから分泌されるNGFは触覚から正常痛覚、痛覚過敏に至るあらゆる段階で作用していることを示した。SNX25と転写調節因子NRF2の物理的作用点を阻害するような低分子化合物が新たな鎮痛薬の候補となることを示唆した点でも社会的意義は大きい。
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